2012 Fiscal Year Research-status Report
危機管理対策用プラットフォームとして活用できる学習管理システムモデルの構築
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24501202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
坂田 信裕 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (50362132)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 教育工学 / 危機管理 / 学習管理システム / 安否確認 / クラウド |
Research Abstract |
概要は以下の通りである。 1)LMSの学生安否確認への応用による非常時情報管理の効率化・可視化・共有化への影響効果:(1)LMSを利用した安否確認手法構築および安否確認工程への効率化の効果・影響の分析:日常的に学習・授業支援利用しているLMSを用い、携帯電話メールと連携させた送付・回収の仕組みを構築した。この調査機能は、平常時において本学学生担当事務部門(医学部および看護学部)により安否確認以外の通常業務にも用いられており、安否確認工程の利用方法習得に有用であったと考えられた。(2)LMS上の安否確認データの利用および、関係者への可視化および共有化による効果・影響の分析:LMSを用いた安否確認実施は、頻度が少ないため、学生事務担当部門において、平常時にLMSの調査機能を利用した結果を元に分析した。また、学生の携帯電話メールアドレス変更に伴う課題が見いだされた。(3)結果を元に改善した機能のLMSへの追加、および効率化・可視化・共有化への影響: LMSの調査機能において、送信時の送付内容再確認、およびメール未読学生に対する機能の改善を要望し、実装された。 2)クラウド型危機管理対策用LMS環境構築による非常時コミュニケーション基盤確保:サーバー機器の導入と研究用LMS環境の構築を実施し、LMSを用いた非常時コミュニケーション基盤が確保できた。実験的にLMSと携帯電話を連携させた安否確認工程の確認を実施した。 3)危機管理リテラシー学習用コンテンツ作成および利用による理解・認識度への影響:試行的な安否確認を実施することにより、理解・認識度の向上を図るとともに、LMSを用いる手法にて行うことに関して、アンケート調査を実施した。これらの試行およびアンケート実施自体が、危機管理を考えるコンテンツの一つとして考える。現在、より理解・認識度を上げるためのコンテンツ内容を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、研究計画に沿った形で以下のように各項目を進めることができた。 1)LMSの学生安否確認への応用による非常時情報管理の効率化・可視化・共有化への影響効果(1)LMSを利用した安否確認手法構築および安否確認工程への効率化の効果・影響の分析:LMSを用いた安否確認手法を構築し、実際の利用部門である学生担当事務部門のスタッフへ周知した。また、この機能を用いて、通常業務の中でも、LMSを活用したアンケート調査の実施が可能であり、学生担当事務部門で利用を開始している。(2)LMS上の安否確認データの利用および、関係者への可視化および共有化による効果・影響の分析:平成24年度の自然災害(竜巻)発生後に、実運用としてこのシステムを用いて安否確認が実施された。そのデータが学生の確認に利用されたことから、このLMSを用いた安否確認手法は、実運用段階に入ったと考えられる。(3)結果を元に改善した機能のLMSへの追加、および効率化・可視化・共有化への影響:調査メール送信時に誤送信を防ぐための送付内容再確認機能、およびメール未読学生に対する再送信機能の改善が実装され、利用上効率性を向上させたと考える。 2)クラウド型危機管理対策用LMS環境構築による非常時コミュニケーション基盤確保:計画通り、サーバー機器の導入と研究用LMS環境の構築を実施し、LMSを用いた非常時コミュニケーション基盤が確保できた。 3)危機管理リテラシー学習用コンテンツ作成および利用による理解・認識度への影響:試行実施と、アンケート調査を行うことにより、理解・認識度向上につながる成果があったと考える。より理解・認識度を上げるためのe-ラーニング型危機管理リテラシー学習用コンテンツについては、現在検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は以下の通りである。 1)LMSの学生安否確認への応用による非常時情報管理の効率化・可視化・共有化への影響効果:平成24年度に利用した安否確認手法を、より効率化・可視化・共有化の視点からの改善を検討する。それに伴い、学生担当事務部門のスタッフに対する調査の実施を計画している。また、課題点として認識された学生のメールアドレス変更に伴うLMS上の登録情報の最新化について、運用上の解決策を検討する。 2)クラウド型危機管理対策用LMS環境構築による非常時コミュニケーション基盤確保:サーバー機器の導入と研究用LMS環境の構築を実施済みであることから、第1段階として大規模災害時のシミュレーションを検討し、LMSを用いた非常時コミュニケーション基盤の運用について検討する。また、サーバー機器自体を、学外のデータセンターに移設し、遠隔地に設置した場合の運用について検討する。 3)危機管理リテラシー学習用コンテンツ作成および利用による理解・認識度への影響:現在検討中の学習用コンテンツの試行的な作成を実施する。その試行を踏まえて、より幅広い利用が可能なコンテンツ作成を検討する。また、今年度も安否確認の試行およびアンケート調査を行うことにより、理解・認識度向上を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究費の使用計画は以下の通りである。 1)LMSの学生安否確認への応用による非常時情報管理の効率化・可視化・共有化への影響効果:平成24年度に要望し、実施された機能改善は、LMS本体の基本アップデート内容に含まれたため、開発費用としては発生しなかった。そのため、平成25年度には、さらなる改善可能な安否確認工程の機能について考案し、実現化を進めていく計画である。そのLMS機能開発および追加実施のために費用発生を見込む。 2)クラウド型危機管理対策用LMS環境構築による非常時コミュニケーション基盤確保:平成25年度は、主にクラウド型危機管理対策用LMS環境の遠隔地検証のため、移設費用、データセンター利用費用、およびデータセンター設置環境調整のための費用として、研究費を使用する計画である。 3)危機管理リテラシー学習用コンテンツ作成および利用による理解・認識度への影響:e-ラーニングコンテンツとしてのコンテンツ作成は、内容の充実を図りながら、平成25年度にて実施を計画している。その作成のため、研究費を使用する計画である。
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