2014 Fiscal Year Research-status Report
危機管理対策用プラットフォームとして活用できる学習管理システムモデルの構築
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24501202
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
坂田 信裕 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50362132)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 教育工学 / 危機管理 / 学習管理システム / 安否確認 / クラウド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において、平成26年度には以下の3項目について取り組みを行った。 1)LMSの学生安否確認への応用による非常時情報管理の効率化・可視化・共有化への影響効果について(1)非常時の情報管理にも活用可能なLMSと携帯電話メール連携による安否確認システムは、平成24、25年度と継続して実施してきたが、平成26年度も継続して運用した。(2)防災訓練時と合わせたLMS利用による安否確認試行を平成25年度と同様に平成26年度も実施し、学生や関係者間での本システム運用の確認を行った。(3)平成26年度から、クラウドを利用したオープンソースのLMSの利用も試行的に開始し、LMSの機能の比較を検討した。 2)クラウド型危機管理対策用LMS環境構築による非常時コミュニケーション基盤確保について:遠隔地にサーバー機器と研究用LMS環境を移設し、非常時に遠隔地のサーバーを利用する手法の検討を平成25年度から実施しているが、平成26年度も継続して実施した。リモート操作による遠隔地のサーバー環境の物理的な位置関係との関係について利点、課題点を検討した。また、オープンソースのLMSを新たにクラウド環境に設け、LMSの機能の比較とともに、クラウド環境の利用手法について検討した。 3)危機管理リテラシー学習用コンテンツ作成および利用による理解・認識度への影響について:平成26年度においても、安否確認の理解・認識度の向上を図るとともに、安否確認機能の試行的利用および防災訓練時の利用を実施した。危機管理対策を学ぶためのコンテンツとして、試行的な利用および認識に関するアンケートの実施が該当すると考える。その一方で、理解をより深めるためのコンテンツ作成については、内容の見直しを含め再検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度の各項目の達成状況は以下のとおりである。 1)LMSの学生安否確認への応用による非常時情報管理の効率化・可視化・共有化への影響効果について(1)年度の早い段階で、医学部および看護学部学生に対して、LMSへの携帯メール登録を行うことができた。これを用いて、平常時のLMSを活用した調査機能を利用するとともに、安否確認システムの周知を継続して行うことができた。(2)前年度と同様に、防災訓練時に安否確認システムの利用も合わせて行うことで、システム運用の確認および課題の検討などを行うことができた。(3)平成26年度から、オープンソースのLMS環境をクラウド上に設け、異なるLMSを用いて、安否確認の手法を検討できた。以上のように進捗状況としては、順調と考える。 2)クラウド型危機管理対策用LMS環境構築による非常時コミュニケーション基盤確保:平成25年度に引き続き、遠隔地へサーバー機器と研究用LMS環境を移設したが、遠隔地環境を利用して、安否確認の基盤を検証した。さらに、クラウド上に、新たなオープンソースLMSを用意し、その環境について検討を行うことができた。以上のように進捗状況としては、順調と考える。 3)危機管理リテラシー学習用コンテンツ作成および利用による理解・認識度への影響:平成26年度においても、安否確認の理解・認識度の向上を図る機会を設けることができた。また、防災訓練時に安否確認機能の試行的利用を実施できた。その一方で、理解をより深めるためのコンテンツ作成については、内容の見直しを含め、作成について再検討を行うなど、やや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度までの研究状況から、以下の内容について推進することを考えている。 1)LMSの学生安否確認への応用による非常時情報管理の効率化・可視化・共有化への影響効果について:平成24年度から26年度に構築および利用した安否確認システムについて、より効率化・可視化・共有化の視点からの改善を検討し、まとめを行う。また、LMSの利用状況の増加からみて、実運用段階となったこのシステムの今後の継続的運用について検討する。さらにオープンソースのLMSの機能を用いた安否確認の手法についても検討を行う。 2)クラウド型危機管理対策用LMS環境構築による非常時コミュニケーション基盤確保について:引き続き、遠隔地へ移設したサーバー機器と研究用LMS環境を用いて、リモート環境を用いた運用の検討を行う。また、クラウド上に構築するオープンソースのLMSを用い、異なるLMSの機能を用いて、従来から利用してきたLMSとの比較などの検討を実施する。 3)危機管理リテラシー学習用コンテンツ作成および利用による理解・認識度への影響について:内容の再検討を行ったことなどを考慮し、改めてコンテンツの作成を実施する。
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Causes of Carryover |
最近の急速なクラウド環境の発展・変化に伴い、予定よりも利用しているサーバー管理経費を低額にできたことがその一つの理由である。また、学習用コンテンツの作成においては、内容の見直しとともに、コンテンツの自作による作成経費の抑制などから未使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1年間の研究期間延長にともない、従来から検討してきたLMSの検証に加え、クラウド環境を用いた利用検証の幅を広げた取り組みを行う計画である。社会的なクラウド環境の発展・変化に伴い、最新のクラウド環境を用いたLMSを用意し、検証を行う。その実施のため、未使用の研究費を用いて取り組みを行う計画である。また、内容の再検討を行っている学習用コンテンツの作成にも利用する計画である。
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