2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24501241
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 拓司 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (30262421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 ゆりか (今井 ゆりか) 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (20251324)
折茂 克哉 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (30376579)
高橋 雄造 電気通信大学, UECコミュニケーションミュージアム, 学術調査員 (60055225)
夏目 賢一 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (70449429)
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Keywords | 帝国大学 / 高等中学校 / 画学 / 電気工学 / 物理学 |
Research Abstract |
岡本(研究代表者)は、森有礼の高等教育に関する構想のうち、工学に関わるものについての情報を得るための資料の調査を行い、明治期の学生生活の一端を伝える出来事である「明治十六年事件」に関しても資料収集を行った。また、第一高等学校(一高)出身であり、東京帝国大学で物理学を学んだのち、理化学研究所(理研)において研究に従事し、さらに第一高等学校・東京大学教養学部で教鞭をとった玉木英彦氏の旧蔵資料を、理研およびご自宅において調査した。玉木氏自身は工学者ではないが、理研と一高・東大において工学者・工学教育との接触があり、戦前期の工学教育の成果を知るための重要な資料を獲得することができた。 夏目は、教務関係資料が比較的よく保存されている第三高等学校・第五高等学校を中心に、高等学校における工学教育全般についての調査を継続した。特に実習の意義の解明に勤めている。 高橋は、日本の電気工学研究が、欧米の研究の紹介・消化・後追いではなくなった時期についての調査・検討を行った。具体的には、東京帝国大学電気工学科の卒業論文、同学科における外書・外国論文講読・紹介、電気学会雑誌の海外文献紹介欄などを分析した。結論にはまだ至っていないものの、東京大学における電気工学研究が自立したのは、第二次世界大戦の相当経ってからになってからであったとの感触を得ている。 横山は画学教育の実態についての調査を進め、一高旧蔵の画学実習用機器の記録作成を継続した。 折茂は一高旧蔵の教務文書・教育用機器全般の記録作成を継続した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規の資料の発見や調査依頼があり、これに従事する必要があったために既知の資料の調査・検討がやや遅れている。ただし、新規の資料から得た情報により、研究には新たな展開が見込めるものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は最終年度となるため、一定の目安となる成果を発表することを目指したい。とくに外国の事例との比較については、十分に行うことができていないため、必要に応じて、海外における調査も行うこととしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
新規資料の調査依頼に応える必要があり、既存の資料を用いた調査・作業を行うことが出来なかったため、次年度使用額が生じた。 既存の資料を用いた調査は、費用をやや縮小して実施する。また、次年度使用分の一部は、海外調査等にも用いる予定である。
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