2012 Fiscal Year Research-status Report
アンケート調査に基づく歴史系地域博物館展示・設備の実践的研究
Project/Area Number |
24501271
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
吉田 優 明治大学, 文学部, 准教授 (90267360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒見 和夫 和洋女子大学, 言語・文学系, 教授 (20225577)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歴史系地域博物館 / 博物館展示 / アンケート調査 / 出前講座 |
Research Abstract |
平成24年度は、研究計画のうち大きく分けて以下の3点を実施した。 ①地域住民(中年・老年層)を対象としたアンケート調査の実施:本研究が対象地域とする茨城県猿島郡五霞町の地域住民に対して第1回目の博物館アンケート調査を実施した。アンケートは全19項目で、五霞町の歴史なかで興味ある事象、博物館に対するイメージ、博物館の利用頻度と目的、展示に対する希望などについて調査した。 ②小・中学生(若年層)を対象としたアンケート調査の実施:町史編纂事業で得た知見に基づき、五霞町所蔵の考古資料を用いた出前講座「“五霞町”の成り立ちを考えよう-縄文時代の五霞-」を五霞町の小学校2校・中学校1校を対象に実施した。講座終了後に1回目の博物館アンケート調査を行い、アンケート結果の回収に成功した。アンケートは事前に7項目と事後に6項目の全11項目で、事前には歴史に対する興味・関心、博物館の利用頻度など、事後には出前講座を受けてみた感想、歴史の勉強で博物館を利用したいかなどを調査した。 ①・②のアンケート結果の集計・分析とともに、研究代表者・分担者を中心に研究協力者を交えたディスカッションを行い、地域住民の要望に応じた博物館展示・設備の構想を考えた。 ③資料の撮影・データの入力作業:本年度はこれらの作業と並行して、五霞町に所在する石造物(庚申塔・馬頭観音・月待塔など)に加え、元栗橋の隆岩寺所蔵の文書の撮影、およびデータの入力作業を行った。入力したデータについては、現在分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記したうち、①地域住民(中年・老年層)を対象としたアンケート調査の実施及び②小・中学生(若年層)を対象としたアンケート調査の実施については、おおむね研究開始時の予定通り進行している。③資料の撮影・データの入力作業に関しては、当初の計画にはなかった隆岩寺文書の撮影とそのデータ入力を行ったため、本年度予定していた年中・伝統行事の保存(映像撮影)を完了させることができなかった。そのため、この点については次年度も引き続き行うことにしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、まず早急に年中・伝統行事の映像撮影を完了させ、次いで当初の予定通り歴史シンポジウムでの展示活動に向けた準備等を行うことにしたい。具体的には、上記アンケート結果の集計・分析を経たうえで立案された構想案に基づき、展示パネルなどを作成するとともに、これまでに整理した文書・絵図等の画像や年中・伝統行事の映像を閲覧するための設備の開発に着手する予定である。 また、歴史シンポジウムについては最終年度である平成26年度の開催予定であったが、シンポジウム後の作業内容や、同年度に博物館シンポジウムも開催予定であることを考慮して、当初の予定を1年前倒しとして、平成25年度に行うことも念頭においている。そのための関係諸機関・関係者との連携には万全を期したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費の使用計画としては、歴史シンポジウムを1年前倒しして開催することが考えられ、その準備のための旅費・人件費、展示物作成費用、謝金等が必要となる。次年度の研究費はそれらに充てることが考えられる。
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