2014 Fiscal Year Annual Research Report
被災地仮設住宅における高齢者の孤立と生活環境の悪化に関する地理学的考察
Project/Area Number |
24501296
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Research Institution | Ibaraki Christian University |
Principal Investigator |
岩間 信之 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (90458240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 耕市 茨城大学, 人文学部, 准教授 (20372716)
浅川 達人 明治学院大学, 社会学部, 教授 (40270665)
駒木 伸比古 愛知大学, 地域政策学部, 准教授 (60601044)
佐々木 緑 広島修道大学, 人間環境学部, 教授 (70401304)
熊谷 修 人間総合科学大学, 人間科学部, 教授 (80260305)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 東日本大震災 / 岩手県下閉伊郡山田町 / 商業機能 / 震災復興計画 / フードデザート問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、東日本大震災で深刻な被害を受けた岩手県下閉伊郡山田町を事例に、発災後の商業機能の復興状況と、当該地域に暮らす人々の生活環境を解明することを目的とした。研究成果は以下の通りである。 ① 岩間信之ほか.2013.東日本大震災被災地における食料品小売業の復興プロセスと仮設住宅居住者の生活環境問題.E-journalGEO.7(2) 178-196【日本地理学会学術賞論文発信部門 受賞】② 岩間信之ほか.2014.商業機能の復興と買い物環境 :岩手県山田町(特集:復興支援 地理学の役割).月刊地理 1月号(702号)14-21.③ シンポジウム開催『山田町での東日本大震災を検証する(2014.9.13)』『大槌町での東日本大震災を検証する(2014.9.14)』 ①は、発災から2012年9月までにおける山田町の商業機能の復興過程を現地調査から整理するとともに、買い物困難地域の抽出や、今後の課題などを整理した。②では、被災地で進むスーパーなどのチェーン店の増加や小売り機能の郊外化をまとめた上で、こうした店舗からのアクセスが悪い仮設住宅団地を幾つか選定し、当該地での被災者の生活環境を、主に買い物の側面から考察した。③では、これまでの調査で得られた成果を整理し、現地の行政や地域住民からの協力を得つつ、現地でシンポジウムを開催した。シンポジウムでは、山田町や大槌町の生活環境の現状と今後の問題点、震災復興計画の再検討の必要性などを、地域住民を交えて話し合った。このシンポジウムは、トヨタ財団の助成を受けて実施した。また、日本地理学会および東北地理学会からは、後援を得た。 本研究では、住民へのアンケート調査は実施できなかったものの、個々の被災者への聞き取りなどを通して、当初の目的を達することが出来たと考える。また、シンポジウムを通して研究成果を直接地域に還元したこと、および議論という形で地域からのフィードバックを得られたことは、大きな成果であった。
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Research Products
(5 results)