2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24501346
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
古田 玲子 公益財団法人がん研究会, がん研究所 病理部, 研究員 (10260077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 知行 公益財団法人がん研究会, がん研究所, 名誉所長 (50085619)
山本 智理子 公益財団法人がん研究会, がん研究所 病理部, 研究員 (10280629)
川端 一嘉 公益財団法人がん研究会, 有明病院 頭頸科, 部長 (10204760)
竹島 信宏 公益財団法人がん研究会, 有明病院 婦人科, 部長 (70216886)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | HPV / 咽頭がん / バイオマーカー |
Research Abstract |
ハイリスクのヒトパピローマウイルス(HR-HPV)が子宮頸部の前がん病変やがんの発生に深く関与しているが、中咽頭がんにも、HR-HPVが関与していることが報告されてきている。また、それには2つの異なる発癌機序があり、HPV感染が関与するHPV関連がんと、タバコやアルコールがリスクファクターとなるHPV非関連がんがあり、HPV関連がんの方が、放射線治療感受性がよいことから、2つを分ける必要があるとの報告がある。本研究者らは、これまでにHR-HPV感染を伴う子宮頸部の前がん病変やがんで、特異的に出現する特異な形態像を呈する異常核分裂像が観られることを発見し、ECAC(Ectopic Chromosome Around Centrosome:傍中心体異所性染色体)と命名した。本研究は、1. 中咽頭がんや前がん病変におけるHR-HPVの関与をDNA解析で型別に調べると共に、ECACの出現を中心として、その病理組織学的な特徴を明らかする。2. ECACの本態の解明にも迫ることを目的としている。 平成24年度は、解析目標である中咽頭がん100例の検体収集および40例の中間解析を実施した。HPV の検出は、生検パラフィンブロックからDNAを抽出し、LAMP法(クリニチップHPV)とNested PCR 法で検出した。またISH法でもHPVの局在を確認した。中咽頭癌のうちHPV陽性例が28/40例(70%)、陰性例が12/40(30%)であった。検出したHPV型は、16型:26例、33型:1例、35型:1例。ECACは、HPV陽性例の8/28(64%)に出現し、HPV陰性例では0/12(0%)で、ECACは、中咽頭癌でも子宮頸部と同様にHR-HPV関連癌のみに特異的に出現し、HPV関連がんの病理組織学的な良いバイオマーカーとなることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. 「中咽頭がんおよび前がん病変におけるHR-HPVの関与をDNA解析で型別に調べると共に、ECACの出現を中心として、その病理組織学的な特徴を明らかすること」に対しては、解析目標とした中咽頭がんの100症例の収集およびDNAの抽出は完了した。HPV型判定は、遺伝子増幅法(LAMP法)と電流検出型DNAチップ法により13種の高リスクHPVゲノムを型別に検出できる高精度な検査法であるクリニチップHPV(積水メディカル社)と、HPVが宿主DNAに組み込まれた場合でも、この領域は保持されるHPV16、18型の夫々の HPV DNAのE6領域をprimerとしたNested PCR法でのHPV検出および免疫組織化学(p16、p53, ki67)による検索を施行した。次年度に解析予定であったが、40例の中間解析を施行し、当初の計画以上に進展している。 2. 「ECACの本態の解明にも迫ること」に対しては、ECACが特定の染色体であることを証明するため、パラフィンブロック薄切標本で、0.7μの微小なECACを上手く染色することが必要であるが、固定条件が良好で、ECACの多く観られる解析に適した標本の選別までが終了し、条件設定を施行中であり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 中咽頭がんおよび前がん病変におけるHR-HPVの関与をDNA解析で型別に調べると共に、ECACの出現を中心として、その病理組織学的な特徴を明らかすることについては、予定通り100例の収集が完了し、40例の中間解析が終了したので、今後は残りの60例の解析を施行し最終的な解析をおこなう。中咽頭では、がんを発病してから発見される事がほとんどであり、子宮頸部のように、前がん病変を見つける事は現状では困難である。がん組織周囲の前がん病変(異形成)については、がんに併存した異形成部で検討を行うこととする。 中咽頭原発がんのリンパ節転移巣、頭頚部領域の原発不明がんについて、HPV関連がんと非関連がんを分けるための適格な検査法の確立と、ECACやその他の病理組織像の特徴が原発がんと同等に保持されているかを検証する。 2. ECACの本態の解明することについては、臨床組織検体でECACの多数認められた標本を用いて、特定の染色体であるか検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は研究計画に基づき下記の項目について使用する予定である。 1. 研究に必要な物品の購入 試薬の購入(DNA抽出試薬、HPV DNA検出試薬、プローブ、抗体、培養試薬) 2. 研究成果発表のための旅費 国内での学会発表旅費
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Research Products
(5 results)