2013 Fiscal Year Research-status Report
マイクロ波センサを用いた海氷厚推定手法の検討およびリモートセンシングへの応用
Project/Area Number |
24510005
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
舘山 一孝 北見工業大学, 工学部, 准教授 (30374789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 雅茂 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (60371150)
中村 和樹 日本大学, 工学部, 准教授 (60435500)
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Keywords | 海氷 / 衛星リモートセンシング / 氷厚 / サロマ湖 / オホーツク海 / マイクロ波放射計 / 合成開口レーダ |
Research Abstract |
平成25年度は計画通り,24年度の現場観測・実験データと衛星データの解析を行い,成果を各種学会や国際学術誌で発表した.昨年度に引き続き,サロマ湖氷上とオホーツク海で現場観測を実施し,新規に大学構内で海氷実験を行う設備の導入を行った. 1.ラフネスと海氷厚の推定 RADARSAT-2衛星に搭載された合成開口レーダに同期した、サロマ湖における現場観測を実施した。RADARSAT-2の合成開口レーダでは、ポラリメトリデータを取得することが可能であり、ポラリメトリを利用した氷厚推定手法について検討した。 現場氷厚観測と衛星搭載マイクロ波放射計観測のデータから,偏波比と周波数比のパラメータを用いた北半球用の氷厚推定アルゴリズムを開発し,北極海の海氷推定に応用して共著論文で成果を報告した(Krishfield et al., 2014).衛星搭載マイクロ波放射計AMSR2用に氷厚アルゴリズムの改良を行った.北見工業大学の低温実験室において,海氷の生成・融解を再現する実験装置を準備し,マイクロ波放射特性測定のための基礎実験を行った. 2.混在する氷種に対応した海氷密接度推定と空間分解の向上 北海道教育大学釧路校の8階建ての研究棟屋上に1m×1m×1mのアクリル製大型水槽を設置し,海氷の成長に伴う輝度温度の変化を可搬型マイクロ波放射計で測定した.昨年度まで行ってきたサロマ湖氷上に造成した人工プール観測では日中に融解が進み継続的な観測が困難であったが,今年度の実験では小型冷却ユニットを利用し継続的な観測環境を作ることに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度もサロマ湖やオホーツク海の結氷状況は良好で,衛星同期観測は予定通り順調に実施できている.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成26年度は平成24~25年度で得られた現場観測と衛星観測のデータの解析を完了し,学会発表や論文投稿に重点を置く。 また,北海道教育大学釧路校の研究棟屋上に設置した大型水槽による海氷の連続的なマイクロ波放射計観測の環境が整ったことから,これまで困難であった氷厚10~30cm帯の連続的なマイクロ波放射計測定を行う.この測定結果を用いて,海氷密接度推定ならびに氷厚30cm以下の氷厚推定のためのアルゴリズムの改良を進める. この手法を参考に,北見工業大学の低温実験室においても海氷のマイクロ波測定を行う.冬期に保存しておいた天然雪を海氷に載せることで,冠雪および積雪融解水の影響を評価する. 1987年から現在までのマイクロ波放射計SSM/I,SSMIS,AMSR-E,AMSR2データにアルゴリズムを適用し,北極海とオホーツク海の氷厚データセットを作成する.
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Research Products
(7 results)