2013 Fiscal Year Research-status Report
環境配慮行動における文化的フレームと意思決定モデルとの統合的アプローチ
Project/Area Number |
24510056
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Research Institution | Aomori University |
Principal Investigator |
柏谷 至 青森大学, 社会学部, 教授 (50316329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 泰秀 青森大学, 社会学部, 教授 (40226189)
中村 和生 青森大学, 社会学部, 准教授 (70584879)
佐々木 てる 青森大学, 社会学部, 准教授 (70396597)
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Keywords | 環境配慮行動 / 文化的フレーム / 意思決定モデル / 地球温暖化 / 省エネルギー / 再生可能エネルギー / 質問紙調査 / 北東北 |
Research Abstract |
本研究は、地球温暖化防止をめぐる環境配慮行動を理解するための統合的な説明図式を構築し、社会調査を通じてその有効性を検証することを目的としている。より具体的には、(1)温暖化防止のための環境配慮行動をめぐる代表的な文化的フレームを解明すること、(2)情動選択性理論の環境配慮行動への適用可能性について理論的・実証的考察を加えること、(3)文化的フレームおよび意思決定モデルを組み込んだ環境配慮行動の説明図式を構築し、これに基づいてデザインした質問紙調査の結果からその有効性を実証することが、研究の目標である。 平成24年度は、文化的フレームに関する理論的研究、および地球温暖化問題と環境配慮行動に関する文化的フレームの分析に取り組んだが、平成25年度は、こうした文化的フレームの観点および認知心理学的な意思決定要因を環境配慮行動に関する先行研究における説明モデルに導入した、統合モデルの構築に取り組んだ。 環境配慮行動に関する既存の研究の多くは、環境配慮行動を集合的な利益の追求 (または集合的なリスクの回避) と捉え、また環境問題のリスクやそれに対処する行動についての合理的な認知・評価の結果として説明する。これに対し統合モデルでは、環境配慮行動は個人的な利益追求 (経済的利益の可能性や感情的満足など) を含み、かつヒューリスティックな情報処理によって生起するものと捉えられる。こうした統合モデルは、地球温暖化という長期的・間接的なリスクをめぐる対処行動において、より有効性を増すと考えられる。 本研究では、このような統合モデルの有効性を検証するため、北東北の5都市で質問紙調査を実施することとしており、平成25年度に質問紙調査の調査票を設計した。本調査は平成26年度に実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究開始時の計画では、質問紙調査は平成25年度に行う予定であったが、調査票の設計までにとどまった。研究の進行が遅れた理由としては、環境配慮行動に関する先行研究の包括的レビューに時間を要したこと、および研究分担者4名のうち2名が勤務校で管理職に就任したことがあげられる。 その一方で、統合モデルの構築と調査票の作成作業には十分に時間をかけ、完成度の高いものができたと評価している。平成26年度の早い時期に質問紙調査を実施すべく準備作業を行っており、研究全体としては平成26年度中に所定の目標を達成できるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの達成度」欄に記したとおり、平成25年度に予定していた質問紙調査を実施することができなかった。現在、質問紙調査実施に向けた学内倫理審査や選挙管理委員会へのサンプリング申請の手続を行っており、平成26年度の早い時期に質問紙調査を実施できる予定である。質問紙調査実施後は、結果の分析および研究成果の学会発表及び論文執筆・投稿を行う予定である。 研究分担者のエフォートに関しては、勤務校における管理業務の内容・担当者間の役割分担を見直し、本研究課題の遂行に支障がないよう配慮する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「現在までの達成度」欄に記したとおり、平成25年度に予定していた質問紙調査を実施することができなかっため、調査対象者のサンプリングのための旅費、調査票の印刷費および郵送費、サンプリングおよび調査票配布回収のための人件費・謝金が平成25年度中に支出できなかった。 質問紙調査を実施することにより、平成25年度に計上していた経費を平成26年度に使用する。また、当初の研究計画で予定していた研究成果の報告等に必要な経費は、計画どおり使用する。
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