2014 Fiscal Year Annual Research Report
電磁波を利用した選択的エネルギー注入による廃ガラスからの金属回収・資源化
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24510105
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
小林 潤 工学院大学, 工学部, 准教授 (60314035)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 廃棄物資源化 / 高周波誘導加熱 / ファンネルガラス / 炭素 / 鉛 / マイクロ波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も昨年度に引き続き、各種炭素材料およびCRTガラス(ファンネルガラス)混合物のマイクロ波誘導加熱による還元反応挙動について実験的検討を行った。 マイクロ波照射による効率的な加熱を目的として、るつぼの材質をSiC(マイクロ波照射により高温となることが知られている)としてファンネルガラス粉末・炭素粉末混合物のマイクロ波誘導加熱実験を行った。実験の結果、温度上昇は確認されたが絶縁性のアルミナるつぼを用いた場合と比較して500℃以上温度が低下することが確認された。当該実験では市販の電子レンジを加熱源に用いているため、装置上SiCるつぼは不適合であることが明らかとなった。次に、ファンネルガラスの融点を降下させることを目的として炭酸ナトリウムを混合した実験を行ったが、昇温時間の短縮など具体的な効果は得られなかった。さらに、塩素分の添加による鉛除去性能向上を目的として、塩化マグネシウムを混合した実験も行った。その結果、加熱途中でるつぼの底が溶けてしまい実験を続行することが不可能となってしまった。これは、高温場においてアルミナと塩化マグネシウムが何らかの反応を起こしたものと考えられるが、詳細についてはさらに検討を要する。これまでの実験ではファンネルガラスの粒子径を100 m以下に調整していたが、実際の処理を考慮しファンネルガラスの粒子径の影響についても評価した。その結果、当該実験条件では500 m以下であれば加熱挙動は大きく変化しないが、それ以上の粒子径では十分な加熱ができず重量減少も前者の半分以下となることが明らかとなった。 これまでの実験結果を考慮し、今後は専用のマイクロ波照射装置を用いた誘導加熱実験の実施へ転換し、より具体的かつ詳細な検討を行う必要がある。また、添加剤については、塩化揮発や融点降下のみならず触媒的な効果の有無についても検討を行う予定である。
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Research Products
(1 results)