2013 Fiscal Year Research-status Report
顧客の購買行動と店舗戦略を考慮した収益管理についての研究
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24510196
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
北條 仁志 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70305663)
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Keywords | モデル化 / 在庫管理 / Nash均衡 / 収益管理 |
Research Abstract |
競合的在庫管理問題という用語は、需要分布が事前に与えられた条件下で需要の再配分を考慮した競合する複数の企業での製品の生産量・発注量に関する合理的な解概念であるナッシュ均衡やシュタッケルベルグ均衡に関する抽象的な研究を指している。現実問題では、日々の需要を見積もることが難しいこともあり、消費者も意思決定者の1人であるため、需要は価格や生産量・発注量にも依存する。そこで、本研究では、複数の競合状態にある供給者における販売戦略上の問題に対して消費者の購買行動を考慮した競合的在庫問題に対する数理的モデルを構築し、供給者および消費者の目的関数上での最適化基準の下で均衡した戦略を導出し、様々な仮定において各々の意思決定への影響について分析することを目的とする。 平成25年度には、前年度に吟味したモデル設定をもとにして消費者についての振る舞いを置き換えることで決定変数の値にどのような変化が見られるのかを要因ごとに調査した。特に、消費者による製品の購入先に焦点を当て、数理モデルを構築した後、均衡戦略を導出し、感度分析から企業への影響について追及した。研究成果の1つをローマにて開催された国際会議26th European Conference on Operational Researchにて発表した。次年度の研究課題である現実的問題に即したモデルを構築するために各要因の因果関係について試行錯誤している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の研究が研究計画よりやや遅れていたため、口頭発表の件数を減らし、研究の時間を確保することで当初の研究計画どおりの研究内容まで詰めることができた。今年度は消費者行動に関する仮定の影響について探求し、需要量、需要発生時刻、購入先の制限を要因とした意思決定者の振る舞いについて把握した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでゲーム理論の解の概念の1つであるナッシュ均衡を中心として議論を進めてきたので、いくつかのモデルについてはシュタッケルベルグ均衡についても研究を行う。 平成26年度は最終年度にあたるため、これまでに提案したモデルを統括し、現実社会における問題に似たより複雑な関係をもつ問題にも挑戦する。また、研究成果を社会に発信するための方法として、論文等の作成にも力を入れる。
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Research Products
(2 results)