2014 Fiscal Year Annual Research Report
うつ傾向に関わるテクノ依存症と仮想空間依存症への予防策に関する研究
Project/Area Number |
24510208
|
Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
坂部 創一 創価大学, 工学部, 教授 (50235165)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 新型うつ傾向 / テクノ依存症傾向 / 共同運動 / 論理的思考 / QOL |
Outline of Annual Research Achievements |
「情報環境におけるテクノ依存症傾向が及ぼす新型うつ傾向の抑制要因」が査読付き論文集「環境情報科学学術研究論文集」に掲載され,以下にその概要を示す。 この研究の目的は,共同運動と論理的思考を好むことが情報環境におけるテクノ依存症傾向が及ぼす新型うつ傾向に対する抑制要因になるかどうかを調査することである。具体的な仮説は,仮説1「単独運動愛好度よりも共同運動愛好度が高い学生ほど,新型うつ傾向とテクノ依存症傾向が低い関係性を示す」,仮説2「論理的思考性が高い学生ほど,新型うつ傾向が低い関係性を示す」の二つである。 この仮説を検証するために収集した情報系大学生に対する調査データは共分散構造分析で分析され,その結果因果推定モデル全体が基準を満たす良好な適合度を満たし,さらに上記仮説の因果的関係性に該当するモデル内におけるパス係数の統計的有意性が示されたことから検証された。結果として,論理的思考傾向を示す学生及び単独運動よりも共同運動を好む学生に,より低い新型うつ傾向がみられた。現今の情報化社会における新型うつ傾向を予防するために,共同運動と論理的思考への愛好が振興される必要があり,また共同運動愛好を奨励することによってテクノ依存症傾向が低下すると思われる。 しかし,調査対象は限定された一例にすぎない。今後は,複数の大学でのケーススタディを積み重ね,最終的に縦断調査で一般化に至るかどうかを検証していくことになる。なお,その後の一回目の縦断調査データを使用して再検証した結果,上記の主要な因果関係は縦断でも検証され,現在二回目の縦断調査の実施中である。
|
Research Products
(3 results)