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2013 Fiscal Year Research-status Report

低地泥炭湿原の群落の景観と種組成における地理的変異の把握とその生成機構の解明

Research Project

Project/Area Number 24510329
Research InstitutionSapporo City University

Principal Investigator

矢部 和夫  札幌市立大学, デザイン学部, 教授 (80290683)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 高田 雅之  法政大学, 人間環境学部, 教授 (40442610)
西川 洋子  地方独立行政法人北海道立総合研究機構, その他部局等, その他 (90442615)
島村 崇志  地方独立行政法人北海道立総合研究機構, その他部局等, 研究員 (90442631)
山口 高志  地方独立行政法人北海道立総合研究機構, その他部局等, 研究員 (90462316)
Keywords湿原保全 / フェンーボッグ傾度 / 地理的変異 / 水文化学環境 / 気象要素
Research Abstract

平成24年度の道央圏の勇払湿原群についで、25年度は十勝地方の大樹町十勝川河口湖沼群の湿原と根釧地方の霧多布湿原で調査を行った。全体的な解析は全湿原調査後に行う事とし、十勝の湿原群の研究結果の概要を報告する。
十勝川河口湖沼群の湿原から当縁(川湿原)、キモントウ(沼湿原)、湧洞(沼湿原)、生花苗(沼湿原),長節(湖湿原)を調査した。湿原群落のうちボッグはミカヅキグサ-ヤチスゲ群落とイボミズゴケ-ワラミズゴケ群落が抽出され、フェンはツルスゲ群落、ヤラメスゲ-イワノガリヤス群落とムジナスゲ-クロバナロウゲ群落が抽出された。各湿原群落の固有性が高く、ボッグは当縁にだけみられた。フェンのうちツルスゲ群落はキモントウだけに見られ、他の2群落は生花苗と長節にだけみられた。
水質は pHはどこも6~7.5付近であり、ECは海水の影響のため湧洞が高かった。 PO4-Pは平均0.05mg/l以下であり、 Ca、Mgは湧洞沼が高いが概ね10mg/l以下であった。
湿原の無機窒素は、硝酸(NO3―N)が0.05 mg/l以下であり、ほとんどがアンモニア態窒素であった。N/Pから推定すると、大樹町および霧多布の湿原は、リン制限であることが示された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

この研究には4つの目的がある。①北海道内各地の低地泥炭湿原における既発表の群落種組成データを収集し、TWINSPANによる群落分類とNMSによる群落傾度分析で低地湿原内の群落種組成やフェンボッグ傾度の地理的変異の有無について検証する。②各地に点在する低地泥炭湿原群落の地理的変異を把握するために湿生自然草原(フェンとボッグ)の群落種組成を記録し、その分布環境を把握するために水文化学環境を測定・分析する。③群落種組成は階層的に類型化し、群落類型の分布パターンに地理的変異があるかどうか水文化学環境要素と気象要素(アメダスデータ)の関係解析から検証する。④群落景観の地理的変異を検証するために階層関係を考慮しながら各湿原の群落類型分布をGIS解析する。
①については、既存資料の中から群落を特徴づける重要種群であるミズゴケ属の種記載が行われているデータだけを収集し、自分達で取ったデータとともにデータベースに収納した。
②と③はH23に道央の勇払湿原群(安平川湿原、弁天沼湿原、ウトナイ湿原とトキサタマップ湿原)を調査し、H24 は霧多布と十勝川河口湿原群(当縁湿原、生花苗湿原,湧洞沼湿原、キモントー沼湿原、長節沼湿原)を調査した。④の湿原の群落景観の解析は、勇払湿原群で群落景観調査を行い、その結果を航空写真(カラー)の画像パターンと対応させ、植生凡例を決めた。次にGISソフトを使い、画像解析を行った。

Strategy for Future Research Activity

今後の対応として①の日本の低地湿原における群落種組成とフェン-ボッグ傾度の地理的変異については、今秋からTWINSHPANやNMS解析によって検討し、地理的変異の実態を解明する予定である。
②と③についてはH25 は釧路湿原と標津ポー川湿原の調査の予定である。このペースでいくと科研研究期間までに北部・日本海側の湿原までたどり着かないため、今後の対応として北部・日本海側(サロベツ湿原と浅茅野湿原は科研研究期間後のH26に調査し、北海道の低地泥炭地湿原全体のフェンーボッグ傾度における地理的変異の解明はデータのそろったH26以降に取り組む。このよう地理的変異は北海道太平洋岸東西にも強く現れているので、科研期間中の成果は今年度調査の終了する太平洋岸全域の湿原について解析する予定である。
④について分担者と独自に作成した勇払の湿原植生図とすでに公開されている環境植生図(1/25000)の結果と比較し、二つの植生図の精度の比較を行う。次に既存解析予定の7湿原のうち十勝川河口を除く6湿原の植生分布は環境省の公開植生図をりようできるので、これを基に解析をする。また、十勝川河口湿原群の5湿原については今年度夏季に昨年度に続き群落景観調査を行い、植生図を作成する。以上の植生図データを元に群落景観レベルでのフェンーボッグ傾度の発達状況の地理的変異を明らかにする。なお、作業遅延は分担者が多忙なために、研究時間が取れなかったことが原因であった、この対策として今年度群落景観解析の分担担当者を変更する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

購入予定物品が当初予定よりも安価で購入できたため余剰が生じた。
ビニル袋購入予定

  • Research Products

    (2 results)

All 2014

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 札幌市市街地の2つの分断林における草本種の絶滅と移入の過程2014

    • Author(s)
      松田岳士、矢部和夫
    • Journal Title

      SCUジャーナル

      Volume: 8 Pages: 81-92

    • Peer Reviewed
  • [Book] まちづくりのための北のガーデニングボランティアハンドブック2014

    • Author(s)
      公益財団法人 札幌市公園緑化協会
    • Total Pages
      292
    • Publisher
      北海道大学出版会

URL: 

Published: 2015-05-28  

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