2012 Fiscal Year Research-status Report
女性介護労働者の就業行動におけるジェンダー規範の意味
Project/Area Number |
24510383
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shimonoseki City University |
Principal Investigator |
加来 和典 下関市立大学, 経済学部, 准教授 (80214261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 裕美子 下関市立大学, 経済学部, 准教授 (70305796)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 就業調整 / ジェンダー意識 / ホームヘルパー / パートタイム労働 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ホームヘルパーの就業調整行動を、ジェンダー規範との関連で明らかにすることである。最終的には、ホームヘルパーおよび事業所に対して、聴き取り調査ならびに調査票調査を実施し、就業調整のメカニズムを、ホームヘルパーのジェンダー意識、職業意識、家庭内役割との関連から明らかにしようとするものである。 平成24年度は、研究代表者(加来)と研究分担者(田中)により、先行研究の検討と予備調査を中心に以下の研究活動を行った。 (a)福祉労働・パートタイム労働を中心に女性労働に関する先行研究の文献・資料の収集を国立国会図書館及び他大学図書館にて行った。また、関係書籍92冊を購入した。文献・資料の読み込みを分担して進めた。その作業を通じ、本研究テーマに近い先攻研究は当初想定したほどなされていない事が分かった。平成25年度には文献収集を隣接領域まで広げることとした。(b)他大学の研究者との意見交換を数度にわたり行い有益なアドバイスを得た。(c)事業所への聴き取りを行った(2箇所)。(d)学術誌に論文を掲載した(1本)。(e)研究会で成果報告を行った(1回)。(f)全体の分析枠組みをほぼ固め、調査票の設計に取りかかった。 上記の活動により、平成25年度実施予定の本調査の準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
資料収集および整理はおおむね予定通り進んでいる。また、調査票設計に関しては、予定より前倒しで着手しており、すでに大枠を決定し、作業仮説の検討とそれらに対応する質問作成を進めている。 ただし、事業所の聞き取りは不十分で予定数に達していない。平成25年度秋に実査を行うべく、平成25年度春以降、聞き取りおよび調査依頼の進捗をはかりたい。 以上により、達成度は「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度調査の補足を行いつつ、本調査の実施と結果分析を中心に以下の研究を行う。 (a)ホームヘルパーの職業意識と就業調整の実態と課題を把握するための調査票の作成と調査対象者の確定。調査対象としては、京都市と下関市の事業所(複数)に所属するホームヘルパーを想定している。(b)年度第3四半期に本調査を実施し、平成26年度にかけて集計分析を行う。調査票の配布は事業所を通じて行い 、回収は郵送を予定している。(c)スウェーデンにおける社会福祉領域でのパートタイム労働に関する資料収集を年度第2四半期に予定している。上述の調査票設計ならびに分析を進める上で、わが国の福祉労働、とりわけホームヘルパーの雇用状況、労働状況の特性を明らかにしておく必要がある。そのため、比較材料として、スウェーデンにおけるホームヘルパーの労働状況に関する資料を収集することとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費30万円については、昨年度に引き続き労働政策・家族社会学等の文献収集に使用する。収集範囲を関連領域に拡大する。旅費60万円については、京都およびスウェーデン等での聞き取り調査に使用する。人件費10万円については、資料整理および専門的知識の供与(調査票作成への助言)に使用する。その他30万円については、実査のための調査票印刷、調査票郵送費、データ入力等を中心に使用する。
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