2013 Fiscal Year Research-status Report
女性介護労働者の就業行動におけるジェンダー規範の意味
Project/Area Number |
24510383
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Research Institution | Shimonoseki City University |
Principal Investigator |
加来 和典 下関市立大学, 経済学部, 准教授 (80214261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 裕美子 下関市立大学, 経済学部, 准教授 (70305796)
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Keywords | 就業調整 / ジェンダー意識 / ホームヘルパー / パートタイム労働 |
Research Abstract |
平成25年度は、a)調査票作成・対象者選定、b)調査実施・集計分析、c)スウェーデンにおけるホームヘルパー関連資料の収集を計画していた。 研究計画a)の準備のため、平成24年度に引続き文献および資料の収集を行った。書籍38冊を購入した他論文等の収集を行った。これらの資料・文献を整理しながら、本調査に向けた検討を担当者間で重ねた結果、平成24年度に作成した枠組みにもとづき調査項目の選定・ワーディングの検討などの調整を行った。また、この間、文献および統計の分析に基づき、研究会報告(「生活と福祉問題研究会」「企業経済研究会」)ならびに関連原稿の作成(田中裕美子「第8章 介護労働者の現状と課題」三原博光編著『高齢介護の制度と福祉サービス』関学出版,2014年出版予定,原稿提出済)を行うなど一定の成果をみた。 なお、「研究計画」で本年度に予定していたa)ホームヘルパーに対する本調査(調査票調査)については、既存研究の検討に時間を割いたため実施に至っていない。「研究計画」のb)と合わせ平成26年度に実施することとした。調査票のアウトラインについてはすでに平成24年度に作成しており、最終調整の段階である。対象者選定には、比較研究の報告で一定のめどを付けた。また、研究計画c)のスウェーデンにおけるホームヘルパーの労働状況に関する資料収集については、本研究全体の進捗状況を勘案し平成26年度に実施することが適切であると判断し、事前準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成25年度は調査票調査を実施する予定であったが、既存研究の検討および既存調査との擦り合わせに時間を要したため調査項目の選定およびワーディングの検討にとどまった。ただ、調査票調査は1度のみの実施であるため、調査票作成には慎重を期すべきであり、やむを得ない判断であった。また、調査を予定している団体との具体的な交渉を進めるに至らなかったが、予定している3団体のうち一つに関しては、本科研以前の研究の際に調査を依頼しており、2014年度の実査にあたり協力体制の構築は可能であると思われる。また、他の2団体に対しても仲介者を通じ一応の連絡を行っており、平成26年度のはやいうちに交渉に取りかかる予定である。 スウェーデンにおける資料収集については、調査票調査の方向性が定まってからの実施を考えていたために、平成26年度の実施が適切であると判断し延期することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
本調査の実施と結果分析を中心に以下の研究を行う。(a)ホームヘルパーの職業意識と就業調整の実態と課題を把握するための調査票の作成と調査対象者の確定。調査対象としては、京都市と山口県の事業所(複数)に所属するホームヘルパーを想定している。対象事業所の選定に当たっては、これまで収集したデータも踏まえながら、所在地、規模、設立主体の種類等に配慮する。(b)本調査を実施する。調査票の配布は事業所を通じて行い、回収は郵送を予定している。(c)分析は、就業調整の要因分析を中心とし、ホームヘルパーの定着条件や専門職としての可能性を検討する。(d)スウェーデンにおける社会福祉領域でのパートタイム労働に関する資料収集を行い、本調査との比較分析に利用する。(e)本調査の分析結果の検討。研究会を開催し、専門家からのコメントを受ける。その結果を踏まえながら、分析の修正や深化を行っていく。また、関連学会での報告も予定している。調査対象事業所に対して報告結果の送付を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度実施予定であった調査票調査とスウェーデンにおける資料収集が未実施のため。いずれも、平成26年度に実施する。 未実施の調査票調査ならびにスウェーデンにおける資料調査を1年度ずらして実施する。
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