2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24520003
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
佐山 圭司 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (80360965)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際情報交換 ドイツ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、ます前年度の研究成果を学会で発表した(日本哲学会第73回大会での一般研究発表「哲学小説の誕生――フリードリヒ・ヤコービの『アルヴィル』と『ヴォルデマール』を読む」)。そこでは、ドイツ語圏における最初の哲学小説といわれる『アルヴィル』と『ヴォルデマール』が、それぞれ1775年と1777年に発表されてから、1792年と1796年に改訂版が出るまでにヤコービ自身の哲学がどのように変化したのかを、各版を対照しながら丹念に跡づけた。その結果、シュトルム・ウント・ドランク文学(とりわけゲーテ)の影響下で書かれた初版にたいして、汎神論論争のあとに刊行された改訂版には、彼のその後の哲学的発展(スピノザならびにカント・フィヒテとの対決、それと関連したプラトン受容など)が色濃く反映されていることを明らかにした。 また、本研究の締めくくりとして、本研究の成果の概要を、日本倫理学会第65回大会の自由課題発表において「信へのSalto mortale――フリードリヒ・ヤコービにおける倫理と宗教」というタイトルで発表した。しかし、発表後になされた他の研究者との討論を通じて、ヤコービの思想におけるヨハン・ゲオルク・ハーマンの影響の大きさを再認識し、ハーマンの影響をその深さと広がりにおいて把握することなしに、本研究を終えることはできないとの結論に達した。 そのため、平成26年度に終了予定だった本研究を1年間延長し、ハーマン・ヤコービ関係を明らかにしてから、本研究を締めくくることにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究の目的」は、かなりの部分で達成されているが、最終段階において新たな知見(ハーマン・ヤコービ関係の再評価)が得られたため、それを踏まえて研究をまとめることにした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、ハーマン・ヤコービ関係の解明に努めるとともに、これまで学会等で発表してきた内容を論文にまとめ、学会誌・紀要等で発表して、研究成果を世に問うつもりである。なお本研究は、研究代表者がいずれ執筆したいと考えているヤコービにかんするモノグラフィーの主要部分をなすものであり、時間的に可能であれば平成27年度中にも、この作業に取りかかりたい。
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Causes of Carryover |
新たな研究課題(ハーマン・ヤコービ関係の解明)が見つかり、そのために予算執行を保留したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ハーマン・ヤコービ関係の解明に必要な文献収集に、今年度予算の大半を使用する予定である。
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Research Products
(2 results)