2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24520003
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
佐山 圭司 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (80360965)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ヤコービ / ハーマン / スピノザ / ドイツ観念論 |
Outline of Annual Research Achievements |
そもそも昨年度で終了するはずであった本研究をあえて一年間延長したのは、近年のハーマン・ヤコービ研究の成果を踏まえて、両者の関係を論じることなしに、本研究を終えることはできないとの思いからだった。そこで最終年度は、現在のヤコービ研究において半ば意図的に忘れられているハーマンの影響を、思想的ならびに文献学的に立証すべく、文献収集とテキストの講読に努めた。その成果は、ドイツにおけるヤコービ研究の第一人者と目されるボーフム大学のビルギット・ザントカウレン教授を囲んで開催された国際会議「ドイツ古典哲学研究の新段階」においてドイツ語で発表した"Glaubensphilosophie oder Unphilosophie. Die Philosophiekritik von Hamann und Jacobi."(信の哲学あるいは非哲学。ハーマンとヤコービの哲学批判)と、論文『「信」への「死の跳躍」――「時代の精神形成の転換点」としてのフリードリヒ・ヤコービ』に示されている。これらの成果を含め、ヤコービの政治・経済論、哲学小説、宗教哲学にかんして、この4年間に学会等で発表した4編を中心に『研究成果報告書』を作成し、本研究を締めくくった。研究遂行中の新たな知見(ハーマンからの影響の再評価)により、当初の計画より一年長くかかってしまったが、ヤコービの哲学の全体像を把握するという本来の研究目的は、計画通り実現されたと考える。
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Research Products
(3 results)