2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24520006
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
竹内 聖一 立正大学, 文学部, 講師 (00503864)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 孝 高知県立大学, 文化学部, 講師 (20453219)
早川 正祐 上智大学, その他の研究科, 研究員 (60587765)
池田 喬 明治大学, 文学部, 講師 (70588839)
木村 正人 高千穂大学, 人間科学部, 准教授 (80409599)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
当研究グルーブでは、共同行為論や語用論における共通知識をめぐる議論の検討を通じて、「共通知識の基礎に、知覚や推論・背景知識の標準的なあり方に関する前理論的な理解の共有がある」という見通しを得た。こうした理解の共有は、我々の間で共通した身体や知覚のあり方に依存し、共同的な社会生活の中で獲得されてくるものであろう。その過程において、共感や感情移入といった感情的・情動的要素が重要な役割を果たしていると考えられる。そして、共感や感情移入を扱うには、おもに行為者の合理性に焦点をあわせてきた従来の行為論の枠組では不十分である。そこで、社会学や倫理学における研究成果の蓄積に依拠して研究を進めることとなった。 こうした議論の過程は研究代表・分担者のほか大学院生やポスドクを中心とした研究協力者、その他外部の若手研究者たちによって構成される一般公開の「行為論研究会」において共有され、従来の学問領域を超えた対話が積極的に行われた。 今年度は、共感や感情移入のベースとなっていると思われる身体やコミュニケ―ションに焦点を合わせて各自が研究を進めた。身体については筒井や池田がその研究成果を学会発表や論文として発表している。また、コミュニケーションについては、言語や意味を扱った古田や萬屋の論文にその成果が現れている。 その一方で行為にまつわる諸問題についても研究が進められている。共同行為について考察した古田の論文や筒井の学会発表、欲求を扱った島村の論文や、行為者性を扱った竹内の論文、また、志向性を取り上げた鈴木の論文などがそれにあたる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に、本研究の課題としたのは以下の3点である。(1)共同行為を分析する上で従来の行為論が抱えている限界を、共感や感情移入の理論によって、どのように克服するかを探ること(2)社会学や現象学の領域において、共感や感情移入がどのように理論化されてきたのかを明らかにすること、(3)これら二つの作業から得られた視点のもとで、共同行為をめぐる問題群について応用倫理学的検討(特に、ビジネス倫理やケア倫理)を行うことで、行為分析における感情論の現代的意義と可能性を検証すること 「研究実績の概要」でも述べたように、今年度は共感や感情移入のベースとなる身体やコミュニケーションについて各自が研究を進めた。よって三つの課題のうち(1)はある程度達成されたものと考える。他方、課題2)や3)については今後研究を進めていく必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
まずは課題(2)、すなわち「社会学や現象学の領域において、共感や感情移入がどのように理論化されてきたのかを明らかにすること」に取り組んでいく予定である。そのために、おもに社会学や現象学を専門とする研究者が主導する形で、共感や感情移入にまつわる問題の研究を進めていく。それにより、行為者の意図や計画といった合理的な側面にばかり注目してきた分析哲学における行為論の枠組みを打ち破り、行為者の情動や欲望といった、行為者の非合理的な側面が共同行為の成立や展開にどのような影響を与えているのかを明らかにすることを目指す。 各自の知見を交換する場として、定例の研究会の他に、研究合宿や研究報告会(一般公開)などを開催することを予定している。得られた成果は、適宜学会発表や論文として公開し、他の研究者からのフィードバックを得ていく。また、研究報告会の内容については、今年度末に発行予定の『行為論研究』第3号にて公開する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は主に、以下の3つの目的に使用する予定である。 1)「今後の研究の推進方策」に述べた研究合宿および研究報告会の開催費用 2)当研究グループの研究成果を発表する『行為論研究』第3号の発行費用 3)研究分担者ならびに研究協力者の研究に関わる費用
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] On Negligence Liability2012
Author(s)
Masato Kimura
Organizer
The International Alfred Schutz Circle for Phenomenology and Interpretive Social Science, Founding Meeting
Place of Presentation
New School for Social Research, NYC
Year and Date
20120524-20120524
Invited
-
-
-
-