2012 Fiscal Year Research-status Report
ハイデッガー、西田、西谷の「場所論的思惟」の立場からする「技術知」の検討
Project/Area Number |
24520013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
秋富 克哉 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (80263169)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換、ドイツ |
Research Abstract |
本研究は、ハイデッガー、西田幾多郎、西谷啓治の三者の思想を「場所論的思惟」として特徴づけるとともに、そこから科学技術知との関係、およびその知に対する哲学的基礎付けの可能性を探るものである。研究の中心はテクスト読解であり、申請書の「実施計画」にも三者それぞれについて読解目標のテクストを掲げたが、ハイデッガーと西田については、両者とも前中期のテクストについてほぼ計画通りに進められた。西谷については、依頼執筆論文のテーマの関係上、中後期にウェイトを置く形となったが、これはいずれ読解を計画していたテクストの前倒しであり、特にハイデッガーと西谷について「場所」をめぐる観点から両者の比較を試みる論考を発表できたことは、計画の到達点を見通すうえで有益であった。西田については、日本宗教学会の個人研究発表で前期思想を取り扱い、また年度末には、ハイデッガーの技術論の現代的可能性をめぐって国内で行われた日独哲学シンポジウムで基調講演を行った。本シンポジウムにドイツから招待されていたフライブルク大学のギュンター・フィガル教授の講演をもとに、同教授の技術理解を知るとともに、ハイデッガーの全集未収録資料について情報を得たことは、本計画の今後の推進にとっても極めて大きいと言えるであろう。 調査旅行として、ドイツのヒルデスハイム大学のロルフ・エルバーフェルト教授を訪問し、西谷啓治について共同研究の相談を行なった。またその後、平成25年度に訪問予定していたウィーン大学のゲオルク・シュテンガー教授とケルンで面談し、ハイデッガーを中心に広く現象学研究について相談を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度内の実施計画していたテクスト読解については、ある程度進めることができ、その成果をもとに学会発表2件と論文執筆3編を実施することができた。調査旅行も、ミュンヘン大学は訪問できなかったものの、ウィーン大学の教授ゲオルク・シュテンガーとの面談がかない、フライブルク大学のギュンター・フィガル教授と接触できたことで、ドイツの研究者との交流の可能性も拡げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
論文執筆として日本宗教学会会誌の特集号への寄稿、学会発表として西田哲学会の公開シンポジウムでの提題、この両者がそれぞれハイデッガーと西田の技術思想を扱うものであり、いずれも年度の前半の課題となるが、この2つを、本研究全体を進めて行くうえでのペースメーカーに据えたいと考えている。また、平成25年度より、関西在住の研究者と立ち上げたハイデッガー研究会で、ハイデッガーのユンガー論(「有の問いへ」)がテクストに選択された。これは、本研究においても2年目の必読テクストに挙げていたものであり、この研究会をベースに読解および関連研究のフォローを進めて行きたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
基本文献と関連資料の購入と収集(コピー等)に10~15万円程度を充てる。また当初の計画通り、調査旅行としてドイツのヒルデスハイムとミュンヘンを訪問する予定であり、またテュービンゲンでハイデッガー協会主催の学会が行われるので、先の訪問と兼ねる予定である。このドイツの調査旅行以外に、国内の関連学会と調査旅行の費用として、全体として55万円程度を充てたいと考えている。また外国語投稿論文を予定しているので、当初はその他に含めていた金額を謝金に回すことが出来ればと思っている。
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Research Products
(6 results)