2014 Fiscal Year Annual Research Report
イスラームにおける伝承の形成と、その法学・思想との関係に関する研究
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24520082
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳橋 博之 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (70220192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 京子 神田外語大学, 外国語学部, 講師 (00503872)
竹下 政孝 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (30163398) [Withdrawn]
鎌田 繁 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (70152840)
菊地 達也 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (40383385)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イスラーム法学 / ハディース / シーア派 / イスマーイール派 / イスラーム哲学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,柳橋は「旅行中の斎戒義務をめぐるハディースの展開について」を発表して,旅行中にはラマダーン月の断食の義務が免除されるという規定をめぐるハディースの形成過程を,学説の展開と関連付けながら,辿った。吉田は,「12イマーム・シーア派のハディース観」において,シーア派の多数派である12イマーム派におけるハディースの形成とその思想的意義を明らかにした。菊地は,「極端派(グラート)の伝統とアラウィー派」を表し,イスラームにおける異端中の異端ともいえるシーア派の少数派を取り上げ,その思想がいかにして形成されたのかを,ハディースの分析も交えつつ論じた。 本研究計画の最大の目的は,預言者ムハンマドやシーア派の最高指導者であるイマームをめぐる伝承(以下,たんに伝承と記す)がどのようにして形成されたのかを,スンナ派とシーア派のそれぞれについて,その思想の形成と展開との関連のなかで分析することと,そのような関連が,スンナ派とシーア派とでどのように異なるのか,あるいは同じなのかを考察することであった。この3年間で,代表者および分担者は,それぞれの分野においてこの研究の実施に努め,その成果を特に雑誌や編著において発表してきた。その結果,従来のイスラーム法あるいはイスラーム思想研究において,伝承はたんに既存の思想に啓示上の根拠をお墨付きとして与えるという役割しか認められてこなかったのに対して,伝承が思想の展開と密接に関連し,相互に影響を与え合ってきたことを明らかにすることができた。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] イスラームと仏教2014
Author(s)
鎌田繁
Organizer
東洋哲学研究所
Place of Presentation
創価大学内東洋哲学研究所(東京都八王子市)
Year and Date
2014-07-22 – 2014-07-22
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