2013 Fiscal Year Research-status Report
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24520140
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
宮永 美知代 東京藝術大学, 美術学部, 助教 (70200194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本郷 寛 東京藝術大学, 美術学部, 教授 (00190265)
木下 史青 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部企画課, デザイン室長 (20321549)
青柳 路子 東京藝術大学, 美術学部, 講師 (70466994)
島田 和幸 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80130524)
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Keywords | 美術解剖学 / ドイツ / 比較解剖学 / 動物 / ドローイング / USA / ライプツィヒ / ドレスデン |
Research Abstract |
1)2009年にUSAで出版されたValery L. Winslowの美術解剖学書『Classic Human Anatomy』を邦訳し、『アーティストのための美術解剖学』(マール社)として上梓することができた。美術解剖学の土壌の希薄であったアメリカ合衆国に、今日、優れた美術解剖学が出版された現状を目の当たりにすることができ、それを国境を越えて、速やかに一般への普及・啓蒙書とすることができた。(宮永) 2)平成25年度、東京国立博物館本館で開催することができた『美術解剖学-人のかたちの学び』展でも取り上げた日本の美術解剖学の祖としての森鴎外について、ベルリンの森鴎外記念館を訪ね、副館長Beate Wondeと鴎外研究、及び、美術解剖学についての意見交換を行った。(宮永・本郷・青柳) 3)美術解剖学に関わる死の問題について、北ドイツの収容所等史跡の調査を行った。それは、人体に対する倫理観の変化について再考する機会となった。(本郷・青柳・宮永) 4)ドイツの美術解剖学者インゴ・ガルシュケとの交流から、日本にもあった比較解剖学的視点の重要性が浮かび上がったが、このことが契機となった『美術解剖学を基礎にした動物デッサンの基本』(ナツメ社)を上梓することができた。ガルシュケに象徴されるドイツ的なドローイングの構造描写と、これに触発された日本のドローイングの構造描写が一冊に融合した書となり、この融合は、ドイツとの交流からの発展を考える本研究の大きな成果の1つとなるとともに、新しい視点の美術解剖学を一般の人々に提示することができた。(宮永)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで積み重ねてきた研究の成果が、タイミング良く2冊の書となったといえる。 調査や意見交換がスムーズであったことは、ドイツの美術解剖学研究者やその遺族に好意的に迎えられたことが大きい。
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Strategy for Future Research Activity |
美術解剖学と生死感に関する研究をまとめる。 ドイツ、フランクフルトで教鞭を執る新たな美術解剖学者との意見交換を深めていく。 比較解剖学に関するドイツの博物館で調査研究を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
想定していた範囲内ではあったが、691円の誤差が出てしまった。 次年度は資料整理等の人件費に使用する予定である。
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Research Products
(6 results)