2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24520141
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
萩岡 松韻 東京藝術大学, 音楽学部, 教授 (30376925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 敏子 京都市立芸術大学, 日本伝統音楽研究センター, 名誉教授 (10090200)
野川 美穂子 東京藝術大学, 音楽学部, 講師 (50218294)
長谷川 慎 静岡大学, 教育学部, 助教 (00466971)
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Keywords | 山田流箏曲 / 古曲 / アーカイブ |
Research Abstract |
研究2年目となる今年度は大きく分けて以下の4点について研究を行った。①SP録音されている歴史的音源の収集とデジタルアーカイブ化および古曲に関連した江戸浄瑠璃などの関連音楽の収集とデジタルアーカイブ化、②研究代表者萩岡松韻による古曲の復元演奏として平成25年7月6日(土)にNHKFM放送から山田検校作曲《明烏》および関連して山田検校作曲《江の島の曲》を新規録音し放送、③江戸時代以降の文献および楽譜をもとに山田流箏曲の曲目リストを作成しそれをもとに山田流各家元に現行する曲についての聞き取り調査の実施、④山田検校関連の資料や論文の再点検および精査と、古曲についての伝承有無の粗整理と、伝承曲の解説準備等の基礎的研究を行った。 ①では、研究代表者所蔵の初代萩岡松韻貴重SP盤の他、山田流箏曲演奏家による山田流古典作品の多くのSP盤をデジタルアーカイブ化した。特に初代萩岡松韻の音源は非公式録音のため鑑賞ができないものであったが、26年度に予定している成果発表演奏会で公開することを予定している。 ②で取り組んだ復元演奏は、昨年度に継続して行っているものであり、山田流古曲の保護保存を研究の目的とする本研究では中核をなすもので、26年度も継続して取り組む予定である。 ③について、『山田流箏曲八葉集』と『山田流箏曲史』に収録される曲を基本に作成したもので、その他江戸期に刊行された『吾嬬箏譜』『屋万田能穂並』等の文献についても調査を行った。これによって作成した「山田流箏曲曲目リスト」をもとに、山田流箏曲家元を対象に現行する曲の調査を行った。 ④について、本研究の基礎的研究となる先行研究、資料、論文等の文献についての再点検を行うことで、26年度に予定している報告書刊行の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の年次計画にそった順調な進捗状況である。山田流箏曲の現行曲についての聞き取り調査が実施でき目録の作成ができた。多くの音源資料のデジタルアーカイブ化ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、アーカイブ作業と復元演奏を実施する。研究のまとめとして古曲を取り上げたレクチャーコンサートを計画している。古曲の基礎研究をさらに発展させて山田流箏曲の稀曲・秘曲とされる希少な伝承曲のアーカイブ化に向けた研究を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
アーカイブ化の作業を研究補助者によるアルバイトを予定していたが、代表者自ら行ったことと、楽譜の作成について今年度は実施しなかった。また実演家に対する聞き取り調査に予算をとっていたが、謝金が発生しない業務であったため繰り越しが生じた。 成果発表のためのレクチャーコンサートに31万円、研究協力者への謝金として20万円、その他として研究分担者に34万円を見込んでいる。
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