2014 Fiscal Year Annual Research Report
鑑賞者の情動反応に基づくメディアアート表現の可能性の探求
Project/Area Number |
24520191
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
森 公一 同志社女子大学, 学芸学部, 教授 (60210118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真下 武久 成安造形大学, 芸術学部, 講師 (10513682)
二瓶 晃 同志社女子大学, 学芸学部, 助教 (30368435)
砥綿 正之 京都市立芸術大学, 美術学部, 教授 (50249372) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メディアアート / ニューロサイエンス / 情動 / インタラクティ・アート |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度(最終年度)の中心課題は、これまでの各種調査と実験に基づき、メディアアート作品へと応用するプロジェクトを実施した。具体的な成果発表として、光の変化と鑑賞者の脳波がインタラクティヴに関係する観客参加型の作品《rendezvous》を制作し、京都芸術センターおよびギャラリー・アートサイト(成安造形大学)において公開した。 作品《rendezvous》は、二人の鑑賞者を対象に、両者の目前に広がる色彩の変化と音響の変化を与えるものである。鑑賞者の頭部に脳波測定装置を装着し、刻々と変化する脳波パターンの変化を測定。それぞれの脳波パターンから、快・不快情動の判定を行い、比較的強い快情動が得られた場合、その時に提示している色や音を継続させる。一方、快情動が弱くなった際には、PCによって色と音のバリエーションをランダムに選択し、再び快情動が確認されるまで提示し続けるシステムを構築した。 こうして各鑑賞者にとって最も快適な色と音の組み合わせが選択され、持続することになる。しかし、実際は二名同時に体験することから、片方の鑑賞者は他方の鑑賞者が提示している色や音の影響も受ける。そのことによって、参加する二名が共同しながら、両者にとって快適な光と音が選択され、提示されることになる。言わば作品《rendezvous》は、二つの脳が恊働して創りだす光・音体験の場なのである。 今後は、作品《rendezvous》において取得したデータに基づき、光・音と情動の関係性について分析を行い、医療への応用可能性を探る予定である。
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