2014 Fiscal Year Annual Research Report
奈良・平安初期漢文書簡に見る敦煌書儀表現受容の史的展開
Project/Area Number |
24520210
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
西 一夫 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (20422701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 比出代 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (10631187)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 書簡表現 / 空海 / 書儀・尺牘 / 敦煌文書 / 敦煌書儀 / 万葉集 / 表現受容 / 漢文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究課題最終年度であり、最終年度として計画全体のまとめを中心に研究成果の発信をおこなった。今年度の実施計画として、 A:基礎資料作成及び資料補訂領域では、①「奈良朝書簡語彙集成」「平安初期漢文書簡語彙集成」「敦煌書儀語彙集成Ⅱ」の補訂の実施、②作成資料に基づきながら抽出語彙の規格を統一する等の調整作業の実施である。 B:表現受容の検討及び特質解明領域では、①データベースを活用しながら表現の相互関係を検討、②表現個々の質的な検討と考察、③書簡表現受容の観点から奈良・平安初期に亘る「国風暗黒時代」の文学状況の一端の解明である。 Aについては、3種類の語彙集成の補訂を全て終了した。また抽出語彙の規格統一については、類似関係をも考慮して、全体の7割の検討を終えることができた。 Bについては、奈良朝書簡語彙集成と平安初期漢文書簡語彙集成との相互関係を中心に検討を行い、古代日本における漢文書簡の表現展開についていくつかの語彙を取り上げて相互関係を検討した。なお、敦煌書儀語彙集成Ⅱについては、古代日本との検討はできていないものの、敦煌書儀内部では、新たな断片文書を考察対象に加えて書儀語彙の相互関係について検討を行った。個別の表現研究については、空海の漢文書簡を軸に、書簡起筆表現の「風雲」の表現特質についての検討をおこない、一定の見通しと成果を得ている。なお、文学史的考察については、空海を軸とした表現展開の様相を、先の「風雲」を中心とする書簡表現から検討を行うことができた。
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Research Products
(11 results)