2014 Fiscal Year Research-status Report
暁台・樗良・蕪村における連句手法の総合的研究―蕉風伝書を視座として
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24520245
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| Research Institution | Ohka Gakuen University |
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Principal Investigator |
寺島 徹 桜花学園大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (30410880)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 近世文学 / 俳諧 / 連句 / 蕉風 / 暁台 / 蕪村 / 也有 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は3年目となるが、資料・書誌調査については、資料目録、古書目録により、あらたな情報を探りつつ、各種文庫・資料館において連句・伝書の資料収集につとめた。その一方で、各種文庫における判読不可能な箇所の閲覧など、２年目までに漏らしたものを中心に調査を進めた。従来、江戸中期の連句資料において、式目作法や、親句・疎句の視点より研究されることはほとんどなかったが、『俳諧無言抄』等の連歌式目辞書に加え、『白砂人集』『俳諧新々式』など、中興期に出版された文献も利用しながら、中興期の連句における式目の調査研究を行った。これらの調査をもとに、連句解体期といわれる中興期にあって、伝書の伝授と連句の座の関係が密接であること、また、落款印の分析を通して連句評点と伝書の権威についても密接な関係があることを確認しつつある。伝書にみられる作法が也有・暁台・蕪村らの連句作品に反映されているのか、連句の即注である連句評点、「式目作法」「付合語彙」の観点から調査を行った。さらに、近年の連句研究における動向をふまえながら、季の詞の観点からも、中興期の連句作法の調査を進めることとした。一連の調査過程であらたに研究調査の必要性が生じたためである。とくに、「春」の「季の詞」に着目して、協力者を中心にデータ整理を行い、中興期の連句における「季の詞」の運用のありかたについての調査を開始した。なお、本研究の派生的な関連研究として、蕪村、暁台と交流のあった俳人蝶夢の自筆資料調査も行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
式目を中心とした、中興期俳諧の連句資料の調査はおおむね、順調に進展している。安永期に蕪村は書簡で「連歌者流」を批判しているが、その一方で、暁台が連歌系の蕉風伝書を重視していることを考慮すれば、暁台と蕪村の連句について、連歌の式目に立ち戻って分析する必要性があるといえる。従来の研究では、「月の出所」というごく一部の美濃派の作法論によっていたが、本年度は、式目・作法（「山類」「居所」等の別）全体の細かなレベルにまで掘り下げ、全連句を分析した。さらに、科研の研究過程で「居所」「山類」といった指合語にくわえて、「季の詞」の連句における式目上の運用について、通常の去り嫌いのみでなく、細かく検証する必要性があることが明らかとなったため、連句の季移りにどの程度、各流派の宗匠の意識が反映されているのか調査を行った。関連する蝶夢の資料調査も行った。
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| Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、あらたな資料収集、書誌調査は最小限にとどめ、3年目までに収集した資料の整備や翻刻の推敲、点検、データの確認などを行う。また、２、３年目に行った「式目作法」の分析をもとに「連句評点」の評の分析を加え、総合的に中興期の連句作品の解析に力を注ぐ予定である。綿屋文庫のマイクロフィッシュ、国文学研究資料館のマイクローリーダーでは判読が難しい書き入れ、貼り紙などをあらためて原典でチェックし直すなど、最終的な資料調査を行う。さらに、アクセスを用いた付合語と評にみえる術語のデータベース構築を進める。このような過程において、俳句雑誌や勤務先研究紀要などに、連句分析の基礎データとして整理した資料を随時掲載してゆく予定である。評点の分析と付合の分類を行い、流派ごとの評の傾向を明らかにし、蕪村・暁台・樗良・也有ら、中興期俳人の連句の実作品との比較に資するデータ作成を行う。
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| Causes of Carryover |
当初の計画では、関西方面の文庫への資料調査を行う予定であったが、文庫目録による事前の書誌調査を年度内に完了できなかったため、調査が次年度に持ち越しとなった。その結果、旅費の一部分を次年度に繰り越すこととなった。また、その調査に付随して生じるマイクロ複写費用、紙焼き資料作成費用も、次年度に繰り越して使用することとなった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度調査しきれなかった関西の文庫（綿屋文庫、柿衞文庫等）における調査を行うための旅費、マイクロ複写費用、紙焼き資料作成費用も、平成27年度に必要となる。また、最終年度であるため、謝金による連句の式目・語彙データの整理・解析を総合的に行う必要が生じている。その分を研究補助費の人件費として使用することとしたい。
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Research Products
(1 results)
