2014 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータによる『カンタベリー物語』諸写本とキャクストン版の計量的比較
Project/Area Number |
24520289
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
地村 彰之 広島大学, 文学研究科, 教授 (00131409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 佳行 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10136153)
川野 徳幸 広島大学, 平和科学研究センター, 教授 (30304463)
佐藤 健一 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (30284219)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | チョーサー / 『カンタベリー物語』 / Hengwrt写本 / Ellesmere写本 / キャクストン版(初版) / キャクストン版(第2版) / Blake版とBenson版 / 計量的比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ジェフリー・チョーサーの写本と刊本の言語について、コンピュータを利用し、その英語の語彙・統語・文体を総合的に研究し、チョーサーの textual criticismに貢献することにある。 本研究では、キャクストン版『カンタベリー物語』[初版(c 1476)(Cx1)と第2版(c1482)(Cx2)]と他の写本やテクストとの間に生じた異同の問題を取り上げている。Hengwrt(ヘングウルト)写本とEllesmere(エルズミア)写本は『カンタベリー物語』のみの代表的写本であるが,キャクストン版『カンタベリー物語』は、最初の刊本として重要なものである。これは,地村(2005)で指摘したように、15 世紀後期に作成された印刷本であり、写本を写す時代には出来なかった英語の標準化の過程に大きく関わっただけでなく、キャクストン以後の諸刊本に影響を与えたものである。本研究は、今日までのテクストの伝達と継承の問題を考えるための基盤的研究である。 特に、今回は15世紀後期に出版されたキャクストン版[初版(Cx1)と第2版(Cx2)]のデータ入力をすすめている。『カンタベリー物語』の代表的写本と初期の印刷本と今日用いられている刊本とが容易に比較できるように、パソコン上でのテキスト処理をする方法 の第一段階に達したといえる。つまり、Hengwrt写本、Ellesmere写本、Blake版、Benson版、キャクストン版(初版Cx1)、キャクストン版(第2版Cx2)を縦軸に並べて一目で共通点と相違点が把握できるデータが散文を除いて完成した。
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