2013 Fiscal Year Research-status Report
近代都市・青島における知識人の交流と文化空間の創成
Project/Area Number |
24520387
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
齊藤 大紀 富山大学, 人文学部, 准教授 (70361938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 俊 高知大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (10380297)
中野 徹 近畿大学, 文芸学部, 講師 (20610512)
杉村 安幾子 金沢大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (50334793)
中野 知洋 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (70372638)
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Keywords | 中国現代文学 / 青島 / 国立青島大学 |
Research Abstract |
平成25年度は、1930年代の青島における知識人ネットワークと文化空間の創成に関して、個別の知見の蓄積を目的とし、また研究会を2回開催することによって、それらの知見の共有化を図った。 具体的な実績としては、6月8日に京都にて研究会を開催し、1930年代の楊振声を中心とする教育・文学活動について報告が行われ、活発な意見交換がなされた。またその際には、『楊振声年譜』『青島高等教育史』『国立青島大学職員録』などの貴重な資料の紹介もあり、今後の研究の深化に大きく貢献するものであった。11月2日、3日に高知大学において研究会が開催され、青島に滞在経験を持つ沉桜、孫陵、王統照、沈従文、楊振声らの文学活動について報告が行われ、さらに中国映画に見る「海」の観念や中国人とリゾートの関わりについての報告もなされた。沉桜、孫陵、王統照、楊振声らに関しては、わが国において論じられることの少ない作家であり、青島をキーワードとして新たな中国現代文学の一側面の発見がなされたと思われる。それとともにやはり青島をキーワードとした中国人と「海」、中国人とリゾートという今後につながりうる研究テーマが共有されることとなった。 資料の収集に関しては、青島市档案館での学術調査が行われ、主に国立青島大学関連の第一次資料の収集が行われた。それとあわせて上記の『青島高等教育史』(人民出版社、2008年)、青島で代表作『駱駝祥子』などを執筆した老舎の最新の全集である『老舎全集』(人民文学出版社、2013年)などの資料収集も行われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
参加メンバーによる研究がおおむね順調に行われ、各研究会では、青島をキーワードとして、これまであまり光を浴びてこなかった中国現代文学の作家や今後の研究の進展が期待される研究テーマの発掘が行われた。それとともに前年度に引き続き、資料の収集が順調に行われており、今後の研究に資するものとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進に関しては、次年度以降、さらに青島等で資料の収集を続ける一方、年2回の研究会を開催し、論文等の成果物の作成につなげて行く。それとあわせて、中国モダニズム研究会および1940年代の重慶における文学活動を扱った科学研究費による研究活動ともタイアップして、各メンバーの知見の幅を広げ、さらなる研究の推進を図ることとしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
共同研究会の開催を行ったため、予定よりも謝金の額が減少したため。 次年度に関しては、研究会を2回、青島における資料調査を1回予定しており、旅費および資料コピー代等に使用する予定である。
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Research Products
(8 results)