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2012 Fiscal Year Research-status Report

ドイツ語イントネーションの典型性の研究―日本人ドイツ語上級者との比較―

Research Project

Project/Area Number 24520422
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

成田 克史  名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (40128202)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) RUDE Markus  名古屋大学, 教養教育院, 准教授 (90282342)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords国際研究者交流 / ドイツ連邦共和国
Research Abstract

今年度は、1)イントネーションの捉え方、2)情報の伝達価値及び統語構造との関係、3)プロソディック・ライティングの表記法について検討した。以下に詳述する。
1)ドイツ語母語話者と日本語を母語とするドイツ語学習者のイントネーションを比較対照するためには、イントネーションを音韻論的に捉えるだけでは十分な手掛かりを得ることはできず、具体的な音声的実態を把握することも必要であるとの認識に至った。すなわち、H (High) と L (Low) という2種の音調を、特定の音節や句境界に付与するだけでは、具体的なイントネーション曲線を得ることができず、具体的に H、L がどのような基本周波数の値を持つか、それらがどのタイミングで配置されるか、それらの間で基本周波数がどのように変動するかなどの具体的なデータも不可欠であるという立場である。特に音調核以降を重視するのではなく、発話全体のイントネーション曲線を捉える必要がある。
2)分離動詞による枠構造の中域に複数の文成分を含む平叙文を用意し、主アクセントの配置を検討した。その結果、中立的な文脈ではふつう後寄りに置かれた成分が主アクセントを付与されるが、前寄りの成分が情報伝達価値の面で勝る場合、この成分に主アクセントが付与されること、また、対比的フォーカスがない限り、語アクセントを有する分離前綴りに主アクセントが置かれることはないことを確認した。
3)プロソディック・ライティングに用いる字形と字の大きさを検討した。特に、主アクセントを担う母音が長母音となる場合の字形について新たな提案を行った。すなわち、文字を左に傾け、セリフ(ceriph)を右に伸ばすことにより、「長い」ことを連想させようとするものである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成24年度は、ドイツ語母語話者及び日本人ドイツ語上級者に発話させる文を、統語構造、情報構造、発話意図に関する条件の他、ドイツ語圏の日常生活における自然な会話で用いられ、語彙的・統語的に平易で、内容に特殊な偏りがないという条件を満たすように確定することを計画していた。研究代表者と研究分担者の間で検討を開始し、どのような観点でイントネーションを捉えるべきかについて一定の方向性を設定することができたが、具体的な文の確定には至っていない。他方、プロソディック・ライティングについて、研究代表者から主アクセントを担う長母音の字体が新たに提案され、表記法がより洗練された。

Strategy for Future Research Activity

平成25年度は、まず、前年度計画の積み残し部分である、ドイツ語母語話者及び日本人ドイツ語上級者に発話させる文の策定に取り組むこととする。ドイツ語文の確定後、夏期又は春期休暇中にドイツ語圏においてドイツ語母語話者による発話音声を収録する。適切と判断される音声のみを分析対象として選別し、その音声を音声分析用ソフトウェアを用いて解析し、得られたピッチパターンを、波形、スペクトログラムと照合しながら観察し、特定の条件において出現するピッチパターンを見出していく。
平成26年度は、同じ文を、同じ条件で日本人ドイツ語上級者に発話させ、同様に音声分析、観察、記述を行う。これをドイツ語母語話者の発話と比較することにより、ドイツ語母語話者には見られないイントネーションパターンの特徴を探る。これにより、日本人ドイツ語上級者のイントネーション上の問題点を把握した上で、ドイツ語母語話者の発話の分析から得られた、特定の条件のもとで典型的に現れるイントネーションを、プロソディック・ライティング法で表記し、日本人向けドイツ語イントネーション教授法のための基礎資料とする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

前年度からの繰越金244,436円については、ユーロ等に対する急激な円安傾向が続く中、外国旅費の高騰や、音声提供者に対する拘束時間が見積りよりも長くなる可能性にも備えるための予算として使用することを優先する。もし、その必要がない場合は、録音資料の整理と音声の分析作業を短期雇用に委託し、研究の進捗を早めるために使用する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 2012 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 母語と第二言語における連語表現の処理の相違について ―ドイツ語の連語表現に関する視線計測研究―2013

    • Author(s)
      杉浦正利、成田克史、藤村逸子、山下淳子、梁志鋭
    • Journal Title

      LET 中部支部研究紀要

      Volume: 24 Pages: 47-56

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Native-like Duration Ratio of Stressed vs. Unstressed Syllables through Visualizing Prosody2012

    • Author(s)
      Markus Rude
    • Journal Title

      Proceedings of the 6th International Conference on Speech Prosody 2012

      Volume: I Pages: 254-257

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Native-like Duration Ratio of Stressed vs. Unstressed Syllables through Visualizing Prosody

    • Author(s)
      Markus Rude
    • Organizer
      Speech Prosody 2012 6th International Conference
    • Place of Presentation
      Grand Central Hotel Shanghai
  • [Presentation] Ein Vorlese-Diktat-Test: betonte und notierte Schluesselwoerter weisen auf Ausspracheprobleme und Probleme von Textbuch-CDs hin

    • Author(s)
      Markus Rude
    • Organizer
      日本独文学会2012年春季研究発表会
    • Place of Presentation
      上智大学

URL: 

Published: 2014-07-24  

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