2013 Fiscal Year Research-status Report
高精細画像とXMLデータを用いた古代エジプト語文書の言語記述アーカイブズの構築
Project/Area Number |
24520452
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
永井 正勝 筑波大学, 人文社会系, 助教 (70578369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和氣 愛仁 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (70361293)
高橋 洋成 筑波大学, 人文社会系, 研究員 (90647702)
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Keywords | 画像データベース / アノテーション / TEI / XML / 文字学 / 写本 / 字形 / 言語記述 |
Research Abstract |
本研究は古代エジプト語の神官文字を対象として、①文字画像を含めた言語データの作成、②リレーショナルデータベースを利用した画像ならびに言語データに対するWeb型検索プラットフォームの構築、③TEIに準拠したXML形式データの出力装置の開発、を行うものである。今年度は、①言語データの作成、②TEIに準拠したXML形式データの出力装置の開発、③Web型検索プラットフォームのバグの修正、を行った。これにより、3年目の前半には、システムがの構築がおおかた終了する予定である。 ①「文字画像を含めた言語データの作成」については、パピルス文書内に記されているすべての文字に文字ID、文字コード、インクの色、発音、機能、語データなどを記述した。また、語データについては、語ID、使用されている文字、転写、品詞、文法範疇、意味を記述した。加えて、文字リスト、語彙辞書を作成した。 ②「リレーショナルデータベースを利用した画像ならびに言語データに対するWeb型検索プラットフォームの構築」については、ApacheとPHPで実装を行っており、画像処理にはZoomifyを、インターフェースにはDrupalを使用した。 ③「TEIに準拠したXML形式データの出力装置の開発」については、言語学の術語をコンピュータ上で処理するためのGeneral Ontology for Linguistic Description (GOLD)をTEIに組み込んだ拡張形式の開発・作成を行った。 本研究の成果として執筆した論文に対して、情報処理学会より、2013年度(平成25年度)山下記念研究賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インターフェースの形式については様々なパターンを検証しているところであり、最終的な決定には至っていないが、データの作成と実装の骨格部分は完成しており、申請時に予定していた内容は実現が可能である。そのような点で、研究はおおむね順調に進展していると言える。ただし、XML出力については、まだ実装を繰り返している段階であり、もう少し、タグ付けに関する議論が必要である。というのも、研究分担者の高橋が、アマルナ文書と呼ばれる粘土板資料を用いた言語資料のXML出力研究を行っており、そのような他言語との対応も視野に入れたシステムを構築すべく、改良を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時に想定していた内容は実装が可能であり、それ自体について終了の目処が立っている。だが、システムをより充実したものに仕上げるために、最終年度では、他言語とのデータ対応を視野に入れたデータ設計を更に検討し、より汎用性の高いシステムを作り上げたいと考えている。デジタル・ヒューマニティーズの分野は進展が著しく、またTEIの仕様も日々改訂されている。それらの動向に対応しつつ、未来に向けて少しでも汎用性の高いシステムを作成するのがデータ保有者の役目であると考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品の価格が予定とは異なっていたため、若干の差額が生じてしまった。 差し引き額は44,521円であり、来年度は物品購入費に充てる予定である。
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