2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24520480
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
金 庚芬 明星大学, 人文学部, 准教授 (50513892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関崎 博紀 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 助教 (30512850)
趙 海城 明星大学, 人文学部, 准教授 (90595084)
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Keywords | 日韓中 / 肯定的・否定的場面 / 対人評価 / 表現分析 / ほめ / けなし |
Research Abstract |
まず、H25年度の研究計画通り、談話完成型アンケートのデータ分析を行った。日本語、韓国語、中国語の3言語それぞれの「ほめ/けなし」の5つの場面を相手が親友の場合を中心に分析し、行動の有無、その理由、表現方法の特徴をまとめ、H25年9月社会言語科学会の研究大会で報告した。3言語における共通点は、肯定的評価の場面での言及率が否定的場面より多く、評価の表現も肯定的場面に多いことである。否定的場面では評価の表現は減り、他の表現の使用率が高くなる。また、評価の対象によって言及率には差があり、髪型や掃除は言及しやすく、成績や家族仲は言及しにくいことが分かった。一方、個別性は、まず日本は表現の分類項目及び組み合わせの数が中韓に比べて少なく、全体的に事態、行動、状況などに言及するにとどまっており、それ自体が何らかの評価を示唆していることが読み取れる。次に、韓国は肯定的場面と否定的場面での言及率の差が最も激しく、日中に比べて肯定的場面では羨望や願望、祝福などの感情の表現がかなり多く、否定的場面では共同行為や相談役になることを提案していることから仲間意識や何かを共有しようとする意識が読み取れる。中国は、肯定的・否定的場面での言及率の差が少なく、評価的に述べることが一般的であった。また、肯定的場面では、感情表現が少なく、否定的場面では当該の行動への否定的評価を述べたり、注意することでその行動を正そうとしていることが分かる。 次に、H25年12月~H26年1月にかけ、日本・韓国・中国の協力者を対象にフォローアップインタビュー調査を実施した。各言語の協力者の男女10名ずつ20名、計60名のデータを取り、そのデータ整備を行った。なお、データ整備作業は、H26年度前半にも継続進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本語、韓国語、中国語における調査及び研究分析は、研究計画通り、分担者、海外の協力者の協力のもと、順調に進んでいる。なお、蒙古語においては、現地の事情もあり、3言語の研究に比べるとやや遅れている。しかし、貴重な蒙古語のアンケートデータはすでに収集でき、データ入力の作業を進めている。また、インタビュー調査は、H26年前期に行うことで進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り、すでにデータ整備済みの日本語・韓国語・中国語においては、これまで行ってきた因子分析、表現分析の成果とインタビュー調査での分析結果とをまとめ、学術雑誌に投稿予定である。また、蒙古語のアンケートデータを分析するとともに、フォローアップインタビュー調査を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が発生した理由は、主に以下の2点である。①H25年度中に実施、完了予定であった蒙古語のデータ整備業務が、委託先都合により未完了であったこと、②H26年度分の分担金が配分されるまでの期間に予定している業務を円滑に遂行する必要があること。以上の2点の理由から次年度使用額が発生したが、いずれも既に取りかかっている。 ①蒙古語のデータ整備:アンケートデータの入力、日本語への翻訳、インタビュースクリプトの翻訳 ②中国語及び韓国語のインタビューデータの翻訳
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Research Products
(3 results)