2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study of adverbial particle in ancient Japanese by from a comprehensive viewpoint of meaning, syntax and form
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24520508
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
小柳 智一 聖心女子大学, 文学部, 教授 (80380377)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 副助詞 / 接尾辞 / 副詞 / 文法変化 / 機能語 / 多義化 / あゆひ抄 |
Outline of Annual Research Achievements |
副助詞と文法変化に関する研究を行った。まず、副助詞に関して、前年度行った副助詞の形態論的研究を発展させるために、上代日本語の接尾辞を名詞の語形変換と関連させて考察した。その成果は「名詞の語形変換―接尾辞における母音交替―」(『日本語文法史研究』3、ひつじ書房、2016.12)に発表。名詞の母音交替と、接尾辞による語構成を統一的に捉え、それが副助詞の語構成に関わる可能性を示した。また、副助詞は「副詞性の助詞」の謂いだが、副詞に関して根本的な見方を示した。修正を加えつつ2度の口頭発表「副詞の入り口」(名古屋大学国語国文学会春季大会シンポジウム、2016.7)と「副詞と副詞化の条件」(成蹊大学アジア太平洋研究センター共同研究プロジェクトシンポジウム、2016.8)を行った。 次に、文法変化に関して、機能語(これには副助詞も含まれる)がどのように生産され、そこにどのような傾向が見られ、なぜそのような傾向が見られるのか、という問題を探究し、機能語生産の一般的なモデルを提示した。その成果は「語彙-文法変化」(藤田・西村編『日英対照文法と語彙への統合的アプローチ』開拓社、2016.5)および「文法変化の方向と統語的条件」(大木・多門編『日本語史叙述の方法』ひつじ書房、2016.10)に発表。また、文法的意味の変化を多義化と関連させてパターン分類し、モデル化を行った。成果は「文法変化と多義化」(『日本語学』36(2)、明治書院、2017.2)に発表。 さらに、近世の文法書『あゆひ抄』の読解を通して、機能語について考察し、形式副詞という観点を取り出した。「分類の深層―『あゆひ抄』の《隊》から―」(日本語学会2017年度春季大会シンポジウム)で発表予定。 全体として、副助詞と文法変化について、従来なかった新しいタイプの研究を行い、問題圏を拡大し、今後の見通しを示すことができた。
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Research Products
(8 results)