2012 Fiscal Year Research-status Report
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24520509
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
田中 ゆかり 日本大学, 文理学部, 教授 (40305503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 千恵 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (50454591)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イントネーション / アクセント / 同意要求表現 / 音声 / 文法 / 社会言語学 |
Research Abstract |
《研究実績の概要》 研究第1年度となる2012(H24)年度においては、研究基盤の形成と全国における「とびはね音調」の受容状況を把握するための調査を企画・実施した。具体的内容は、次の(1)-(3)の通り。意義・重要性についてはそれぞれに示す。 (1)PC、録音機器類、記録メディア等を購入し、研究基盤を形成した。同時に、関連する先行研究の精査とその収集を行った。【意義・重要性】企画・調査・データ収集・連絡に必要な機器類の購入をしたことにより研究基盤が形成された。また、音声・文法という異なる分野の関連文献リストを作成・収集することによって、共同研究者間の相互理解が深まった。 (2)研究メンバーによる対面打ち合わせを春・秋の学会シーズンに行い、研究計画の確認とプレ調査計画ならびに調査票等の作成を行った。【意義・重要性】直接対面でやりとりをすることによって、打ち合わせが活性化した。とくに調査企画・調査票作成においては、この方法が効果的であった。その結果、(a)文法的観点を導入した自記式アンケート、(b)自然談話に近いやりとりにおける出現実態を調査する目的のロールプレイイング調査のふたつの調査の企画とそこで用いる具体的な調査票案が作成できた。 (3)「とびはね音調」が全国においてどのように受容されているのかを把握するために、聞き取りアンケート調査の手法を用いた調査を実施し、調査結果についての中間報告を行った。【意義・重要性】従来、「とびはね音調」の全国における受容状況は、具体的データとしては把握されていなかった。そのため、概略的とはいえ全国における受容状況が本調査によって把握できたことは、ひとつの成果といえそうだ。また、この全国調査の分析を通じて、「とびはね音調」の採用意識には地域差が大きいことも分かった。このことは次年度以降に予定している実地調査候補地の選定根拠となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調と判断した理由は次の通り。 (1)先行研究の収集と読み込みを行い、並行して準備調査の企画・調査票案が作成できたこと (2)全国聞き取りアンケート調査を実施、その中間報告を行えたこと。このデータが準備調査・実地調査の調査地選定根拠ともなったこと 一方、文法的観点を導入した自記式アンケートが未完成であること、準備調査の実施には及ばなかったことは、反省点である。
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Strategy for Future Research Activity |
第2年度においては、次のような研究目標を立てている。 (1)全国聞き取りアンケート調査に基づく口頭発表ならびに論文の執筆と公開 (2)文法的観点を導入した自記式アンケートの実施 (3)ロールプレイイング調査の実施 (4)首都圏・近畿圏・九州大都市圏の3大都市圏と北関東域における実地調査の実施
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の使用計画については、区分ごとに概略を示す。 (1)物品費:調査・データ処理等に必要な機器類と記録媒体、文具等の購入 (2)旅費:実地調査ならびに研究成果公表、研究打ち合わせのための旅費 (3)人件費・謝金:調査協力者への謝金、データ整理・入力アルバイト代などの支払い なお、4万円弱を平成25(2013)年度以降に繰り越したが、これは予定していた予備調査用の調査票の整備が遅れたため、一部実施できなかったことによる。平成25年度には、調査票を整え、遅れていた予備調査を実施した上で、各地で実施予定の本調査に入る見込みを立てている。よって、繰り越した金額については、調査費用に充当する予定。
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