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2012 Fiscal Year Research-status Report

中国語母語話者のための漢字音教材作成2-方言字音識別・学習者調査に基づいて-

Research Project

Project/Area Number 24520565
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

黒沢 晶子  山形大学, 基盤教育院, 教授 (50375333)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords漢字音 / 中国語母語話者 / 入声音 / 教材 / 台湾閔南語
Research Abstract

1 基礎調査により、次のことが明らかになった。
1.1 台湾閔南語 入声音の変化(資料:教育部『臺灣閔南語常用詞辭典』)
まず現代語音に読書音と俗音があるうち、韻尾が中古音と同じものは多く読書音であり、俗音では12%弱に限られる。次に、中古音から変化したのは主に俗音だが、調音点が前に移動したもの(例:力・触 k→t, 握・逐 k→p, 窃 t→p)だけでなく、後ろに移動したもの(例:室・疾 t→k, 乏・法 p→t)もある。また、日本語の常用漢字にある入声音の30%弱が声門閉鎖音になっているが、中古音の韻尾p・t・kのうちどれかが声門閉鎖音になりやすいという特定の結びつきは見られない。さらに、韻尾が失われて母音終わりになったもの(例:宿、読、的、告;説、切)も少なくない。
1.2 方言字音、入声韻尾識別調査:台湾出身者5名を対象に調査したが、23年度までと異なる点はなかった。北部、中部、南部いずれの出身者も閔南語は継承語として、ある程度知っているものの、韻尾のみ異なる15組の漢字のうち、ペアで読めるものは平均2.8組にとどまり、読めたものも韻尾の識別はほとんどできなかった。(例:「發表」と「法律」の下線字を同音と判断)
2 教材作成と試用を行った。徳弘(2010)が頻度・親密度から割り出した36,644語の漢字語の学習指標値に旧日本語能力試験出題基準を組み合わせてa~dの4段階にレベル分けし、教材で使用する語の選定に用いた。なお、入声t音の字のうち頻度上位20字(日一月出実八七発決物別説設結活必切末失達)が前部要素となる語980語中の促音化率は61%だった。教材の試用では、既知の語の読みから入り、学習者自身が帰納的に音変化の規則性を導き出したあと、その規則を初見の語に応用する練習を行った。最後のクイズでは促音化の規則が初見の語に応用できなかったと判断される誤答が7.3%あった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

海外での調査を2年度目に移した代わり、基礎データの拡充、教材の試用と検証ができた。また、2年度目に試用する音声教材作成に着手した。

Strategy for Future Research Activity

1 教材の拡充:語彙表から、後続音による促音化の有無が学習しやすいよう、重要度レベルと後続音の種類の両面でバランスのとれた漢字語を選択し、教材を拡充・改訂する。また、聴覚から入り、学習者が音になじむための音声教材を作成する。これらの教材を教室で使用し、効果を検証する。
2 24年度、教材を試用した結果、最後のクイズでは、促音化の規則が初見の語に応用できなかったと判断される誤答が7.3%あった。現在作成中の音声教材によって聴覚的な面からも学習をサポートし、同時に応用練習をもう1段階加えるなど、さらにステップを踏むことによって、結果を改善していきたい。
3 台湾(台北、高雄)で方言字音識別調査および日本字音に関する学習者調査を実施する。継承語としての閔南語話者と母語話者とを比較し、方言使用度・方言字音識別度によって日本字音の認知が変わるのかどうか、さらに閔南語の負の転移があるかどうかについて確かめることを目的とする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度研究費は、直接経費300,000円を以下のような内訳で使用する計画である。
・物品費:    50,000円
・旅費:    200,000円
・人件費・謝金: 32,000円
・その他:    18,000円

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 2012 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 「漢字音教材開発-入声音を含む漢語の音変化をどう扱うか-」2013

    • Author(s)
      黒沢晶子
    • Journal Title

      『日本語教育方法研究会誌』

      Volume: 20 -1 Pages: 62-63

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 「中国語母語話者のための漢字音教材開発-入声音を含む漢語を中心に-」2012

    • Author(s)
      黒沢晶子
    • Journal Title

      『2012年日本語教育国際研究大会予稿集 第1分冊』

      Volume: 2012年 Pages: 296-296

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 「中国語母語話者のための漢字音教材開発-入声音を含む漢語を中心に-」

    • Author(s)
      黒沢晶子
    • Organizer
      2012年日本語教育国際研究大会
    • Place of Presentation
      名古屋大学
  • [Presentation] 「漢字音教材開発-入声音を含む漢語の音変化をどう扱うか-」

    • Author(s)
      黒沢晶子
    • Organizer
      第40回日本語教育方法研究会
    • Place of Presentation
      東京大学(本郷キャンパス)

URL: 

Published: 2014-07-24  

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