2013 Fiscal Year Research-status Report
生活者むけ日本語学習支援における教授者育成のための基礎的研究
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24520573
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
足立 祐子 新潟大学, 企画戦略本部, 准教授 (00313552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 洋子 岩手大学, 国際交流センター, 准教授 (60344628)
今村 和宏 一橋大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (80242361)
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Keywords | 指導技術 / 動機づけ / 教師の行動 |
Research Abstract |
研究の目的及び研究実施計画はほぼ計画どおりに実施した。ただし、分析方法については、M-GTA(Modified Graounded Theory Approach)ではなく、質的データ分析のための手法であるSCAT(Steps for Coding and Theorization)使うことを決めた。この手法のための研究会は平成26年5月に実施する。具体的な研究経過は以下のとおりである。 代表者は、日本語教育学会春季大会(5月26日)で、分担者と共同で学習者の動機づけに関する口頭発表を行った。この発表は2012年度の成果発表としての位置づけで、これを受けて7月に本科研の打ち合わせ会議を実施した。動機づけの分析研究をおこなっているドルニュイを参考に今後も動機づけと教師のふるまいの関連に関する研究を本科研で行うことを確認した。また、分析法としてのM-GTAは膨大なデータを必要とするため、本研究には適さないという結論を出した。8月には代表者と分担者はトロント大学で授業分析研究のこれまでの流れと本研究の関連性について口頭発表を行った。口頭発表では、本研究は教師の授業における行動全体をとらえるため、質的分析を行う点を強調した。また、教師の非言語行動やビリーフとの関連で異文化間教育学会でポスター発表をした。 分析方法については、SCATがM-GTAより本研究に適切であるとし、12月にSCATの専門家を招いてSCATおよび質的研究法に関する研究会を実施した。また、動機づけ研究についても英語教育における動機づけ研究の専門家から研究内容についてさまざまな知見を得た。平成26年5月に、科研メンバー全員に対するSCATのワークショップを開催する。分析内容についてはJ.M.ケラーのARCS(Attention Relevance Confidence Satisfaction)モデルも参考にする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分担者が二人になったことで研究が円滑に進みようになった。科研のメンバー全員で3回の打ち合わせ会議を持ち、分析方法や動機づけ研究について深く議論できた。3回の学会発表を通して、参加者からさまざまな助言を受けることができた。分析方法は変更したがその理由は、新しく採用した分析方法のほうが本研究の分析には適切であると判断したためである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度が最終年度であるため、今後の推進方策は以下のように計画している。 (1)平成25年に調査できなかった部分を6月までに完了させる。 (2)本研究のメンバー全員が分析方法を把握し、全員で分析を行えるように準備する。 (3)夏から秋にかけて科研のメンバーで会議を複数回もち、分析結果をリスト化する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
分担者の一人が計画時より、実際の平成25年度が多忙であったため、200,000円程度使用できなかった。 平成25年度に分担者が一人増えたため、物品費が多くなった。平成26年度は分担者に対する配分を十分考慮し、代表者が中心となって研究をすすめる予定である。また、分析方法を変更したため、平成26年度に謝金を使う予定である。具体的な使用計画は以下のとおりである。 1.最終年度であるため、分析や成果発表に力を入れる:そのための旅費や会議費として使用する、2.分析方法のためのワークショップを開催する:謝金等に使用する、3.分析のための資料を購入し十分な分析を行う:物品費に使用する。
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