2013 Fiscal Year Research-status Report
外国語音声教育への自律学習法導入による音声習得の向上に関する研究
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24520651
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
新倉 真矢子 上智大学, 外国語学部, 教授 (70338432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正木 晶子 上智大学, 言語教育研究センター, 講師 (10407372)
渡部 良典 上智大学, 外国語学部, 教授 (20167183)
小島 慶一 聖徳大学, 人文学部, 教授 (90234757)
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Keywords | 音声教育 / 英語・ドイツ語・フランス語 / 学習ストラテジー / 学習ストラテジー・プロセス・モデル / 音声評価 |
Research Abstract |
本研究は、学習者が外国語の音声を学ぶ際に影響を受ける要因を探り、個人差が顕著とされている発音分野に適した自律型発音支援プログラムを開発するものである。本年度は①2012年度に収集したデータ、すなわち「発音習得のための学習方略(68項目)」を確認するために開発した音声の学習に関する質問紙の再分析を行った。分析にSPSSを用いて探索型因子分析を行い、信頼性係数を産出し、学習者の読み上げ音声の評価点との相関分析を実施した。結果として英語、ドイツ語、フランス語の各言語で音声学習の「メタ認知」「メモリー」「社会性」に関するストラテジーと「全体的印象得点」「リズム得点」「イントネーション得点」との弱い相関が認められ、次年度の自律型学習プログラムの実証実験に備えることができた。 ②2つ目の目標である自律型学習プログラムの作成に関しては、Chamot & O’Malley(1994), Chamot et al.(1999), Littlewood (1996), Cotterall (2000), Magaldi (2010), Reinders (2010)などの提唱する学習モデルを精査した上で、「発音の学習ストラテジー・プロセス・モデル」を独自に作成した。学習者が音声学習を自らの管理下で「計画を練る」、「練習を実行する」、「自己評価する」、「振り返る」学習プロセスに、教師の補助的な役割を組み入れ、学習者の「音声評価」、各言語に特徴的な「分節素」および「超分節素」の説明、「学習者へのフィードバック」を行うことで学習者に自らの活動プロセスを意識化させ、自律学習に導く。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の1つ目の目標である、3言語共通の質問紙を再分析し、因子分析を行い、質問紙項目の使用と音声習熟度との相関を調査したことで一応の目標を達成させているが、結果として弱い相関係数であった。また、2つ目の目標である自律型学習プログラムについては、学習者監督下のもと、教員に補助的役割を課すモデルを作成した。さらに、次年度の目標である授業における音声学習ストラテジー・プロセス・モデルの有効性の調査を英語とドイツ語で先駆けて行い、次年度に向けて本格的に調査する前提が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度作成の音声学習ストラテジー・プロセス・モデルの有効性を実証するために英語、ドイツ語、フランス語の授業に適用させ、有効性を調査する。プログラムの有効性は、音響分析を参考に音声の専門家の判断結果を総合して行う。 1. 自律型学習プログラムの有効性の調査:3言語で実証実験を行い、音声習熟度(各言語に特徴的な音(分節素)、アクセント・強勢、イントネーション、リズム(超分節素))を評価して自律型学習プログラムの有効性を調査する。 2. 前年度までの成果を学会などで発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3月末に予定していた海外送金の追加料金が不要となったため。 次年度は協力者の海外渡航を予定しているため、旅費への配分に繰り入れたい。
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Research Products
(16 results)