2012 Fiscal Year Research-status Report
近代化模索期の「国史」編纂と地図作成―赤門書庫旧蔵地図の研究
Project/Area Number |
24520737
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉本 史子(山田史子) 東京大学, 史料編さん所, 教授 (10187669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野寺 淳 茨城大学, 教育学部, 教授 (90204263)
佐藤 賢一 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (90323873)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 地図 / 海図 / 幕末史 / 近代史 / 測量 / 空間 / 航海 |
Research Abstract |
2012年度は、本研究の基礎となる、「赤門書庫旧蔵地図」の整理・調書作成を中心に行った。その成果の一部は、公開研究会・史料展示会で、ひろく一般に公開した。 1 「赤尾門書庫旧蔵地図」全体調査―調書作成:原則毎週金曜日に調査を行い、240点余について調書を作成した。調査にあたっては、専用の調書フォーマットを定め、とくに近代初期の海図の特質を的確に記録できるように心がけた。また重要箇所の写真撮影をあわせて行った。調書作成済みの史料には、調査番号を付与した。調書作成に当たっては、鈴木純子氏(研究協力者・東京大学史料編纂所附属画像史料解析センター共同研究員)の指導を得、また今井健三氏(研究協力者・日本水路協会技術アドバイザー)のご教示を得た。また、特に重要な史料については、東京大学史料編纂所・史料保存技術室の写真担当者に依頼して、全図・部分図撮影を行った。また以下の調査成果検討会を行った。<2012年8月2-3日> 東京大学史料編纂所216号室 茨城大学教育学部・東京大学人文社会系研究科の大学院生も交え、調査成果の検討会を行った。<2013年1月15日>現地調査にむけて。 2 公開研究会・史料展示会「海図と歴史」:(2013年3月1日 於東京大学福武ホール・大会議室)を開催した。講演:今井健三氏「海図の歴史―表現方法の変化と管理体制」、調査で判明した海図を展示し、鈴木純子・吉岡誠也・横地留奈子・杉本史子が解説を行った。 3 外部調査:2013年3月8日、海上保安庁海洋情報部にて海図についての史料調査を行った。 以上の研究活動は、東京大学史料編纂所・画像史料解析センター「赤門書庫旧蔵地図」プロジェクト(代表・杉本史子)と合同して行った。また、http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/personal/fumiko/index.htmにおいても研究内容を随時公開している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の基礎部分となる「赤門書庫旧蔵地図」にについては、原状にしたがい調査番号を付与し、各調査番号について、さらに細目の調書を一点毎に作成している。この調査の中から、これまで未発見の貴重な海図が本史料群に存在していることが判明した。この成果は、論文・公開研究会・史料展示などで、一般にも公開した。論文・鈴木純子「幕府海軍から海軍水路部へ―赤門書庫旧蔵地図に残る初期海図の軌跡」(『東京大学史料編纂所研究紀要』第23号;2014、66-78)では、これまでその作成は知られていたが、存在は確認されていなかった幕末海図が本調査によりの発見されたことについて記述している。また公開研究会・史料展示については、『地理』393号(2013年4月)にも紹介される(原光一「海図はおもしろい」)など、一般の反響も呼んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引続き、「赤門書庫旧蔵地図」の整理・調書作成を進める。また、海図の現地調査を行うことを検討する。現時点では、横浜・佐渡についての実施を検討している。以上の成果は、論文・研究発表・史料展示・ウェブ上などで一般に公開していくことを予定している。研究成果の一部は、日本語による公開のみならず、Karen Wigen・杉本史子・ Cary Karacas共編『Cartographic Japan: A Reader 』(2014年刊行予定)にも反映させ、英語圏の読者にも伝えることを検討している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度も引き続き、「赤門書庫旧蔵地図」の整理・調書作成を行う。このため、学術支援職員の雇用を予定している。また調査用具・参考文献の購入なども予定している。
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Research Products
(8 results)