2014 Fiscal Year Research-status Report
平安期荘園の存在形態と特質に関する研究―「領域型荘園」概念の再検討―
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24520773
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
鎌倉 佐保 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (60468824)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 荘園 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の平安期荘園の存在形態と特質を明らかにするために、本年度は前年度にひきつづき平安期荘園関係史料データベースの作成、データ確認・整理を行い、データベースの一応の完成をみた。 平安期荘園関係史料の分析を進めるなかで、荘園の領域問題、帳簿、国衙勧農・負担の問題に関わる「利田」「利田請文」について、関係史料を分析し、論文にまとめた。これはこれまで在地領主の領域支配実現との関連で注目されてきた「利田」について、官物請負の手続きとみる従来の理解が誤りであることを明らかにしたものである。また平安期荘園関係史料の現所蔵調査を進めるなかで、山城国石原荘に関する寛弘2年7月29日散位藤原為賢公験紛失状が新潟県糸魚川市・糸魚川歴史民俗資料館に所蔵していることが判明し、本文書が同館に所蔵された経緯を調査するとともに、原本調査をおこなった。 個別荘園に関しては、これまで調査した紀伊国、越前国牛原荘に関する領域の問題について分析を進めるとともに、平安期荘園データベースに基づいて、山城国石原荘・富坂荘・長岡荘に関する史料分析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平安期荘園に関する史料の現所在確認がとれないものも多く、確認に想定以上の時間を要した。そのため史料原本調査の予備調査、荘園現地調査の準備作業に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
平安期荘園データベースの整理と加工をおこない公開を進める。 また史料原本調査、荘園現地調査をおこなうとともに、史料分析を進めて総括し論文としてまとめ研究成果を公開する。
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Causes of Carryover |
史料原本調査のための予備調査と荘園現地調査準備の遅れ、および日程調整の不調により予定していた調査を行えなかったことが大きな理由である。それにより全体の総括・論文執筆・報告書作成の全般に遅れが生じたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度行えなかった史料原本調査、荘園現地調査をおこなう。また報告書等の印刷費として使用する。
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Research Products
(1 results)