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2015 Fiscal Year Annual Research Report

荘園制の地域特性と内乱

Research Project

Project/Area Number 24520786
Research InstitutionKonan University

Principal Investigator

佐藤 泰弘  甲南大学, 文学部, 教授 (30289011)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 高橋 昌明  神戸大学, 人文科学研究科, 名誉教授 (30106760)
高橋 一樹  武蔵大学, 人文学部, 教授 (80300680)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2016-03-31
Keywords荘園 / 内乱 / 交通 / 地域史 / 平安時代
Outline of Annual Research Achievements

今年度は研究課題に関する総括的な検討を行った。その結果、治承・寿永の内乱期には一国を二分するような広域の枠組みが諸国に存在したことが分かった。それは平氏方・反平氏方というものではなく、地域の事情に根ざしたものであった。そのような勢力圏が成立した政治社会的な要因として、第一に荘園・国領の下司・公文など荘公下職と呼ばれる人々の「つきあいの範囲」が考えられる。第二は院政期に受領在京が常態化したことと大規模荘園の立荘である。受領が在国しなくなることと受領の補任によらない荘園の所職が成立することにより、国府に集約された国内のネットワークは弱体化し、一国のネットワークが多元化していった。また国内の勢力圏として見えるものが国境を越えた広域ネットワークを形成していることもあった。そのような国内・国内外におけるネットワークの形成範囲を規定しているものは、自然条件に規定された海陸の交通路であろう。
荘園の特質を総括的に考えるためには荘園の類型論が有効であり、荘園領主との関係や村落の構造が基準とされてきた。それに対し新しく交通関係に注目し、個々の荘園類型には収まらない地域秩序を見いだすことになった。そこで改めて交通関係への関わりをもとに荘園の類型を考えるならば、津・宿・市の存在に注目することによって、地域社会のネットワークや都鄙間交通における荘園の位置づけを組み込んだ荘園類型を考えることができる。それは(1)広域の交通拠点を荘内に持つ荘園であり、そこには(1-1)市・宿を持つ荘園と(1-2)津・湊を持つ荘園が含まれる。市・宿は荘園領主が立てるものであるが、津・湊は国衙の関与が強いため、両者を分けるのが妥当である。そして(2)広域の交通拠点を持たない荘園がある。荘園(1)がネットワークの中心となり、そこに荘園(2)が従属することによって、地域のネットワークと勢力関係が構築されると考えられる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2016

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 正税から農料へ2016

    • Author(s)
      佐藤泰弘
    • Journal Title

      日本史研究

      Volume: 641 Pages: 3-19

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 受領の支配と地方の都市2016

    • Author(s)
      佐藤泰弘
    • Organizer
      第32回条里制・古代都市研究会大会
    • Place of Presentation
      平城京跡資料館(奈良県・奈良市)
    • Year and Date
      2016-03-05

URL: 

Published: 2017-01-06  

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