2014 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀中葉の欧米列強によるアジア戦略とそのネットワーク形成過程の解明
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24520843
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
小暮 実徳 天理大学, 文学部, 准教授 (90537416)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ニューヨーク・シティカレッジ / タウンゼント・ハリス外交書簡集 / オランダ国ライデン大学 / 幕末期のオランダ対日外交政策 / 末期のアメリカ対日外交政策 / 日本学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ニューヨーク・シティカレッジ(The City College of the City University of New York)が所有する初代駐日アメリカ弁理公使タウンゼント・ハリス個人文書「タウンゼント・ハリス外交書簡集」の翻字テキストを、出版を意図し校訂を行うため、オランダに夏冬二度の渡航を行った。オランダでは、日本学研究者であるライデン大学スカリヒャー研究所所長ハルメン・ブイケルス教授に、テキストを提出し校閲・校訂を受けた。このテキストは、合計で約1800頁にのぼり、両面印刷・簡易製本した際、5冊本となった。夏の渡航では、長期研究滞在のお蔭とブイケルス教授が時間を特別に割いて下さったため、教授の所見を伴う校訂済テキスト全てを受け取ることが出来た。所見に従い、テキストを更に校訂した。またテキストの検討の成果は、学術図書出版助成のプロジェクト『幕末期のオランダ対日外交政策「国家的名声と実益」への挑戦』(2015年2月、彩流社)に反映させた。 オリジナルとの検討を要した諸問題と、また私は日本側に提出した英文書簡のオランダ語訳を翻字していなかったが、その指摘を受けたため、それを行ったテキストを校訂するために、冬の渡航を行った。残念なことにブイケルス教授にお会いはできたが、先生が極めてお忙しく、そこで当時この作業の全ては終了できなかった。しかしながら同修正箇所、新たな翻字史料、オリジナル史料の当該箇所を画像で明らかにしたCD-ROMを提出した。先生からは、後日メールで回答して下さる約束を頂いた。 本期間、研究協力者、また海外の多くの研究者にお会いでき、相互の研究に関する意見交換や、今後可能な共同研究プロジェクト等に関して話し合いを持てたことは非常に重要であり、大きな刺激を受けた。このような大変貴重で、有意義な時間を持つことが出来たことに、記して感謝致したい。
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