2012 Fiscal Year Research-status Report
欧州における地域的な環境革新システムの形成と環境技術の移転に関する研究
Project/Area Number |
24520893
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 潤 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 准教授 (90284562)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 人文地理学 / 地域計画・地域政策 / 環境 / イノベーション |
Research Abstract |
24-25年度には、環境技術を生む地域的な革新システムの形成要因を明らかにすることを目的とした。この目的の一部を24年度で達成するため、当該年度では、以下のような研究計画を立てた。まず予備調査で、各種の統計をもとに、環境技術が集積している調査候補自治体を抽出する。ついで予備調査で抽出した調査候補地から、次年度以降、具体的な現地調査を実施する対象自治体を選定するため、調査候補地で30日程度の現地調査を実施する。その際、現地で入手可能な環境技術政策や産業クラスター政策等の関連資料を、研究対象国であるスウェーデン・連合王国だけでなく、両国と比較可能な欧米諸国で収集する。最後に、予備・現地調査の結果を踏まえて候補地を絞り込み、対象自治体を選定する。加えて次年度に実施する調査の対象の範囲を決める。 上述した研究計画にそって調査をすすめた結果、予備調査では、OECDの環境関連特許データベースを用いて、環境関連特許の六分野ごとに、世界規模で、環境産業の集積を国別・地域別に把握した。この予備調査の結果をもとに、平成24年8月7日から9月8日までに、調査候補地であるスウェーデンのヨーテボリ、マルメ、イギリスのロンドン、ピーターバラに加えて、デンマークのコペンハーゲン等で環境産業・クラスター関係政策の担当官やこれらを対象とする研究者に対して、環境産業・クラスターの現状や課題ならびに関連する政策に関する対面調査を実施するとともに、関連資料を収集した。最後に調査後の分析では、予備調査と現地調査の結果から、来年度、対象とする自治体を選定する一方で、調査対象とする企業や大学、政府系研究機関等の範囲を検討した。以上の研究を通じて、その成果の一部を国内学会で報告する一方で、査読論文で公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献調査や現地調査を通じて、分析に必要な資料を可能な限り収集できたことと、これらの資料を用いて、環境産業の集積を明らかにし、結果として、従来の研究では見出せなかった新たな知見をえたことが評価理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
上述したように、24年度にはOECDの特許データをもとに、環境産業の分類ごとに、その集積を把握し、それはほぼ調査候補地と重なることを明らかにした。さらに現地調査で、調査候補地で基礎的な資料を収集していることから、次年度では、研究計画にしたがい、24年度の調査で収集した資料を参照しつつ、現地調査の調査項目を精査した上で、調査票を作成し、この調査票にもとづく現地調査を通じて、環境産業の地域的な革新システム形成に作用する要因を明らかにしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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