2014 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアの華人慈善団体に関する人類学的研究―潮州系のエスニシティとネットワーク
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24520920
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Research Institution | Ibaraki Christian University |
Principal Investigator |
志賀 市子 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (20295629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄 蘊 関西学院大学, 付置研究所, 講師 (10387384)
芹澤 知広 奈良大学, 社会学部, 教授 (60299162)
石高 真吾 大阪大学, 学内共同利用施設等, その他 (70511799)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 中国 / 広東省 / 潮州人 / 東南アジア / 善堂 / 儀礼 / エスニシティ / ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度はまず8月中旬に代表者、分担者2名、研究協力者1名により、約11日間(研究協力者は7日間)の日程で香港、中国広東省潮汕地域において共同調査を行った。主な調査内容は、汕頭の存心善堂を始めとする大峰祖師廟など東南アジアの潮州系善堂の源流となった主要善堂の訪問、善堂が主催する盂蘭勝会の儀礼見学、儀礼音楽を担当する潮州音楽の愛好者グループの訪問、潮州市、恵来市の善堂調査である。潮州音楽、盂蘭勝会の儀礼調査では、香港、タイ、シンガポール、マレーシアの潮州系善堂で行なわれている儀礼との連続性を確認するとともに、儀礼を担う楽師などの人材のトランスナショナルな移動や儀礼知識の継承についても情報を得た。また恵来県の善堂調査では、中国、ベトナム、タイを結ぶ善堂ネットワークについての貴重な文献資料を得ることができた。 代表者、分担者はその後個別に香港、ベトナム、シンガポールにおいて補充調査を行った。 次に11月30日には早稲田大学で開催された華僑華人学会において、「「潮州人」エスニシティの形成と潮州善堂文化」というタイトルで、代表者1名、分担者3名、協力者1名、さらにコメンテータとして外部から1名を加え、計6名で分科会を組織し、発表を行った。代表者の趣旨説明では、潮州の善堂文化を概観するとともに、「潮州人」のエスニシティの構築プロセスに潮州の善堂文化が果たしてきた役割について論じ、潮州人エスニシティの地域間比較の事例として台湾と香港のケースをとりあげた。分担者、協力者は、それぞれベトナム、マレーシア、シンガポール、タイのケースを紹介した。現在この分科会発表をもとに、論文集の出版にむけて、準備を進めているところである。
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Research Products
(17 results)