2013 Fiscal Year Research-status Report
モノにみる現代日本の生活文化と歴史の発掘とその活用に関する研究
Project/Area Number |
24520929
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
横川 公子 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (50090923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 理恵 日本女子大学, 家政学部, 准教授 (00269820)
村瀬 敬子 佛教大学, 社会学部, 准教授 (20312134)
古野 貢 武庫川女子大学, 資料館・学院資料準備室, 主任 (40382022)
佐藤 優香 東京大学, 情報学環・学際情報学府, 特任助教 (40413893)
佐藤 浩司 国立民族学博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (60215788)
井上 雅人 武庫川女子大学, 生活環境学部, 講師 (60388189)
藤井 龍彦 国立民族学博物館, その他部局等, 名誉教授 (80045260)
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Keywords | 生活財 / 粗品 / 家の中の飾り物 / 贈答 / ミュージアム / 地域コミュニティ / サロン・プロジェクト / 教育プログラム |
Research Abstract |
【研究の目的と実施計画】モノを通して一般の暮らしの襞と思想を探求し、モノと人間のアクチュアルな関係性に立ち入り、モノの背後にある生活文化と歴史を明らかにする。実施計画に盛り込んだ仮説としての方法論=サロン・プロジェクトを推進した。そのため2年目は、生活財悉皆調査の成果である中田家コレクションのミニ展示を計4回開設し、毎回、一般の人や学生を巻き込んだサロンを実施し、生活財をめぐる記憶や体験の発掘し記録した。 【研究の成果】①計4回実施したサロンの内容・テーマは、モノの文化的・生活的機能の視座から粗品(1回)、飾り物(2回)、贈答品(1回)が取り上げられた。②サロンにおけるインタビュー内容は、すべてテープ起こしによって記録された。③ミニ展示によるコレクション資料の活用を容易にするため、全資料の収蔵展示のための施設や仕掛けが検討され、具体的な設計案が提示された。④コレクション資料に含まれるテキスト資料の一部(買物及び観光の日記風メモの1年分)を関西圏の地図と当該年のカレンダーに落とし込み、記録を残した中田氏の暮らしの一端の再現を試みた。⑤インタビュー調査とテキスト資料の読取りに学生を投入することにより、学生の調査スキルの向上を図った。 【研究経緯における意義・重要性】①生活財は、誰でも馴染んだ格好の語りの素材であり、自然体で語られるモノに込められた記憶や体験は具体的で有効な生活者の思想を発掘する手掛かりとなることが展望できた。②学生を投入した実験的なサロンの試みは、世代を超えた知識(生活知)の継承をはかることにもなり、これからの大学やミュージアムに与えられた使命に応えうることが確認されつつある。③一般人の参加は、地域コミュニティーの再確認を促し、相対的に高齢の参加者の未来志向性を導き出している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
モノを通して一般の暮らしの襞と思想を探求し、モノの背後にある生活文化と歴史を明らかにするため、仮説としての方法論=サロン・プロジェクトを4回実施し、生活財をめぐる記憶や体験の発掘を順調に進めることができ、モノを通して一般の人を巻き込んだ記憶や体験の発掘が可能なことが検証できた。 サロンの内容・テーマとして、モノの文化的・生活的機能の視座から粗品・飾り物・贈答品を取り上げたことにより、暮らしの襞や価値意識を炙り出すうえで有効であったこと、サロンにおけるインタビュー内容は、すべてテープ起こしによって記録されたこと、インタビュー調査とテキスト資料の読取りに学生を投入することで、生活財は、誰でも馴染んだ格好の語りの素材であり、自然体で語られるモノに込められた記憶や体験は具体的で有効な生活者の思想を発掘する手掛かりとなることが検証できた。
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Strategy for Future Research Activity |
①学生を投入した実験的なサロンの試みは、世代を超えた知識(生活知)の継承をはかり、これからの大学やミュージアムに与えられた使命に応えうること、一般人の参加は、地域コミュニティーの再確認を促し、相対的に高齢の参加者の未来志向性を導き出したことが期待以上の成果として示唆されたことから、サロン・プロジェクトをさらに補強して推進する。②コレクションに含まれるテキスト資料(家計簿風日記や観光のメモのなど)を地図とカレンダーに落とし込むことにより、都市近郊の暮らしの再現の可能性が確かめられ、今後さらに取り組んでいく必要がある。③ミニ展示によるコレクション資料の活用を容易にするため、全資料の収蔵展示のための施設や仕掛けが必要であり、その具体化を図る必要がある。④今までのサロン・プロジェクトの記録を冊子にまとめ、最終年度報告書に盛り込むと同時に、サロン・プロジェクトの継続・拡充と定着化の方途を模索する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
①サロン・プロジェクトの実施計画が、1回分、延期となったため、それに伴う諸経費が未使用となっている。②コレクション資料を活用するため、粗品・家の中の飾り物・贈答品を弁別・コード化し、データを集積する作業を実施中であり、その推進のための謝金が未使用分となっている。 ①サロン・プロジェクトを研究計画に沿って推進するため経費が必要である。②本研究の目的である、「モノから炙り出せる思想の確認」と「プロジェクト方法論の検証」を見据えて、現段階でのサロンプロジェクトの成果を確認し、地域の参加者とも共有する必要があり、小冊子を出版する。自費出版費用が必要である。③コレクション資料を活用するため、粗品・家の中の飾り物・贈答品をエクセルデータによって弁別・コード化し、関連データを集積する作業を推進する。そのための謝金が引き続き必要である。
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