2014 Fiscal Year Annual Research Report
モノにみる現代日本の生活文化と歴史の発掘とその活用に関する研究
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24520929
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
横川 公子 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (50090923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 理恵 日本女子大学, 家政学部, 准教授 (00269820)
村瀬 敬子 佛教大学, 社会学部, 准教授 (20312134)
古野 貢 武庫川女子大学, ミュージアム準備室, 事務長 (40382022)
佐藤 優香 東京大学, 大学院・情報学環, 助教 (40413893)
佐藤 浩司 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 准教授 (60215788)
井上 雅人 武庫川女子大学, 生活環境学部, 講師 (60388189)
藤井 龍彦 国立民族学博物館, その他部局等, 名誉教授 (80045260)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生活財悉皆調査 / 生活意識 / ミュージアムサロン / 粗品 / 飾り物 / 贈答品 / 地域生活 / 主婦 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的は、モノを通して一般の暮らしの襞と思想の実体を探求し、モノと人間とのアクチュアルな関係性に立ち入ることで、モノの背後にある生活文化と歴史を明らかにすることである。対象とする中田家コレクションは、元の所有者が日々の暮らしの中で蓄積した生活財のほぼ全容を以て構成され、モノのみでなく家計簿・贈答メモなどの多くの言説と旧住居も残されており、関係者へのインタビュー及び同時代の一般人の参画の仕組みを作ることで関連情報を構築し、現代の普通の暮らしが投げかけている実体的な思想を明らかにすることをめざした。 生活者の価値意識の発掘のために、地域の人々を巻き込んだミュージアムサロンを、通算6回にわたり実施した。26年度は2回にわたって「贈答品」をテーマとして、関連する生活財のミニ展示を行い、インタビュー調査が実施された。共同研究会では、情報収集のために周到にデザインされたインタビューの記録(テープ起こしで再現)を、各分担者独自の視座から分析し、それらが生活財としてそこにあることや残された理由やそれに伴う人々の価値意識を再現した。3年間の成果として、3つのテーマ「粗品」「飾り物」「贈答品」をめぐって、当初目論んだ成果を十分に上げた。 それによって、普通の生活財を生活文化財として位置付けることで、現代における特徴的な生活文化に対峙することができた。とくに主婦に代表される地域の一般の人々のモノに寄せる視線のあり方と価値付けの内容を炙り出すことが可能となり、このことは高度に産業化・情報化を遂げた現代社会が直面する価値の限界や歪みを示唆すると同時に、暮らしの現場からの想いや思想を炙り出すことにつながった。さらに3つのテーマをめぐる地域的類型を炙り出すことができ、現代の先端的課題としてのグローバルに対するローカルな文化意識の形成を開明する切り口の提案にもつながると確信する。
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