2013 Fiscal Year Research-status Report
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24530040
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
木下 智史 関西大学, 法務研究科, 教授 (40183793)
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Keywords | 違憲審査 / アメリカ合衆国 / 最高裁判所 / 憲法 |
Research Abstract |
本年度は、研究代表者と連携研究者のそれぞれが違憲審査基準論に関する自らの研究を進めつつ、以下のような集団的研究活動を行った。 8月22日から23日まで、神戸市において、合宿研究会を開催し、ゲストスピーカーからの報告をうけるとともに、研究プロジェクトに参加するメンバーの研究の進展状況について確認し、研究課題である「違憲審査基準論の歴史的・比較法的位置づけ」について、意見を交換した。 11月3日から9日にかけて、アメリカ合衆国における調査旅行を実施し、ワシントンDCにある合衆国最高裁の口頭弁論傍聴と長官顧問へのインタビュー、連邦議会図書館における裁判記録の資料収集などを行い、また、イェール大学ロースクールでは、資料収集とともにBruce Ackerman教授に対するインタビューも行った。 研究代表者である木下は、日米における違憲審査基準論の生成に関する研究を進め、7月には、国際シンポジウム「現代社会における最高裁判所の役割と条件」において、「最高裁判所の判決行動の人的・制度的分析-憲法分野からの報告」と題する報告を行い、日本の最高裁における違憲審査基準論導入の試みとより柔軟な利益衡量論による判断との相克を考察した。 連携研究者である塚田は、アメリカにおける表現の自由に関する違憲審査基準論の研究を進めるため、アメリカ議会図書館においてウォーレン・コート期の重要判例のメモ等の資料収集を行い、現在、分析を行っている。 連携研究者の大野は、アメリカの平等保護条項に関する違憲審査基準の研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の一つの柱であるアメリカ合衆国最高裁裁判官Stephen Breyerの著作Making Our Democracy Workの翻訳については、すでに一応すべてが完了し、最終的な調整を経て、出版される見通しとなっている。 研究代表者と連携研究者は、合宿研究会において、それぞれの研究テーマに関して報告を行い、研究の進展状況を確認し、アメリカ合衆国での調査旅行において、今後の研究に必要な資料の収集やアメリカの憲法研究者との意見交換も進めつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究課題についての一応の研究成果をまとめるべく、各自の研究を進めるとともに、年度中に,合宿研究会を開催して、最終的な研究報告を行い、違憲審査基準論の位置づけについて歴史的、比較法的にみた総合的評価のための意見交換を行いたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年11月に実施したアメリカ合衆国への調査旅行費用を支出する予定であったが、残額を上回ったので、一部のみの支出を行った。このため未使用額が生じ、残りの旅費を次年度分と合算して支出することとした。 平成26年度の使用計画は、国内の研究会開催費用、物品購入、ゲストスピーカーの研究会参加費用等であり、前年度分の使用額を支出しても、十分、研究遂行は可能である。
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Research Products
(7 results)