2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24530040
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
木下 智史 関西大学, 法務研究科, 教授 (40183793)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アメリカ合衆国 / 違憲審査制 / 司法審査 / 憲法 / 最高裁判所 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の基盤となるべきスティーブン・ブライヤー合衆国最高裁裁判官の著作『Making Our Democracy Wok: A Judge's View』の翻訳を連携研究者とともに行い完成させた。現在は、監訳者の大久保史郎立命館大学教授による入稿待ちの段階にあり、近く公刊される予定である。 上記の翻訳作業と並行して、6名のアメリカ憲法・行政法研究者を招いて、研究会を開催し、研究課題である合衆国の違憲審査基準論、そしてより広く合衆国の違憲審査制のあり方についての考察を深めた。 研究代表者と連携研究者は、それぞれ自らのテーマにしたがって、違憲審査基準論についての研究を進め、二度にわたるアメリカ合衆国での資料収集と現地の研究者との意見交換をふまえた研究成果を発表しつつある。 研究代表者である木下は、これまでの共同研究の実績をふまえて、今年度、戦後日本の最高裁の憲法判断の手法に関する論稿の公表、シンポジウム「現代社会における最高裁判所の役割と条件」におけるコメントの執筆、「憲法学からみた最高裁裁判官」研究会での研究発表と論文の公表などを行った。連携研究者である塚田は、前年度からの厳格審査に関する研究の継続として、表現の自由領域において1960年代初頭に一応の確立を見た厳格審査(「やむにやまれぬ政府利益」定式)が信教の自由領域にも波及する過程(画期としてのShervert v. Verner, 374 U.S. 398 (1963))の検討を行い、並行して、表現の自由領域を中心に現在の日本における合衆国判例法理の影響を検証する作業も行った。連携研究者である大野は、アメリカの最高裁が、平等保護が争われた際に、合理性審査を適用しつつも、違憲の結論を導き、いわば合理性審査を「厳格適用」したといえる事例が見られるため、どのような条件でそうした適用がなされるのかについて研究を進めており、2015年度中に論文として公表する予定である。
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Research Products
(8 results)