2014 Fiscal Year Annual Research Report
冷戦期アジアにおけるポリティサイドの実証研究~インドネシア9・30後の大量殺害
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24530169
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松野 明久 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (90165845)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ポリティサイド / ジェノサイド / インドネシア / 国際研究者交流 / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となった今年度は、現地で補足的な調査を行いつつも、これまでに得られた成果を国際学会や研究会で発表し、議論を重ね、最終的な論文執筆に向けての最終調整を行うことに専念した。また、これまでの個人研究を基礎に国際的な比較研究を行う基礎を築いた。 まず、6月に早稲田大学で行われたインドネシア研究会で「バリにおける9・30事件の展開」と題する発表会を行い、次に、6月の東南アジア学会で設置されたパネル「9・30事件と社会暴力ーその地方的な表出と歴史的意味の再検討ー」(倉沢愛子氏主宰)で、「バリにおける 9・30 後の大量殺害~modus operandi の解明に向けて」と題する発表を行った。さらに、8月にトルコで開催された国際平和学研究大会(IPRA 2014)で「The Indonesian Politicide, 1965-1966: What crime is this?」と題する発表を行った。最後の発表はペーパーをウェブ(Researchmap)で公開している。 一方、国際的な比較研究を行う基礎を築くため、6月に、申請者が主催者となって、本研究に関わる国内の研究者5名、海外の研究者7名によるワークショップ「冷戦期ポリティサイド研究の新方向~インドネシア1965年事件を事例として」を開催した。このワークショップは9・30(=1965年事件)研究が近年とくに幅の広がりを見せていることに鑑み、これまでの議論を整理し、展望を得るという目的で開いたものである。また、同様の趣旨で、別な国内・海外研究者3名を交え、1月に「アジア・アフリカ・ラテンアメリカの移行期正義に関する会議」を大阪大学で開催した。 以上の活動によって、ポリティサイドという概念の提示と、そのケーススタディーとしてのインドネシア9・30事件の実証研究という当初の2つの目的を概ね達成することができた。
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Research Products
(3 results)