2013 Fiscal Year Research-status Report
米国パブリック・ディプロマシーにおけるフィランソロピーと政府の連携に関する研究
Project/Area Number |
24530188
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
野口 和美 神戸女子大学, 文学部, 准教授 (70552925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 治 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 教授 (10241738)
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Keywords | フィランソロピー / ガバナンス / 国際交流 / パブリック-プライベート・パートナーシップス |
Research Abstract |
平成25年度は、米国の財団データベースから財団の支援分野やその特徴に関して、主要な財団のデータを取集し、データの整理と分析を行った。また、米国連邦政府機関の日米友好基金の所長に現在の日米交流関係について、聞き取り調査を行った。 9月に米国のワシントンDCにあるFoundation Centerにて、ロックフェラー財団、フォード財団、カーネギー財団、ゲーツ財団の活動状況について、データを収集した。特に、ロックフェラー財団は、市民権、文化、教育、国際関係、研究、公衆衛生、環境、経済、情報技術方面に万遍なく、支援をしていることが明らかになった。 同時期に、ワシントンDCにある日米友好基金にて、日米の学生交流について、聞き取り調査を行った。タスクフォースを設置し、日本人学生の米国留学者を倍増するという提案がなされている。また、東日本大震災後に、東北地方に、ハナミズキを植樹するということを通して、交流を行っていることが明らかになった。また、このプロジェクトは、米国国務省のパブリック・プライベート・パートナーシップを基に行われており、市民を中心としたパブリック・ディプロマシーにおける文化交流を行っていることが明らかになった。 この研究調査成果を、国内外の学会で発表を行った。研究代表者は、10月の国際NPO学会と3月の日本NPO学会で口頭発表を行った。また、11月には、研究分担者とともに、米国NPO学会で共同口頭発表を行った。 3月には、神戸女子大学文学部紀要に、"Philanthropic and Government Collaboration in US Cultural Diplomacy Policy" (論文)が掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的のひとつである日米のパブリック・ディプロマシーの担い手の変化について、政府や民間団体でも同様のことが言えるが、単一で担い手になるのではなく、様々な団体との連携を行い、市民に訴えかけるような国際交流を行っていることが明らかになった。 平成25年度時点では、研究期間内に明らかにしようとする点のひとつとして挙げていた米国のフィランソロピーの資金提供分野のデータベースを作成するということに関しては、米国の主要な財団の最近の寄付動向を調査し、特徴が明らかになっているが、平成26年度は、更に、主要な財団以外の財団も視野に入れ、データを作成することを目的とする。 また、政府関係者や財団関係者に対して、聞き取り調査を行い、質的なデータを基に、財団の寄付対象地域や分野について分析を深めるとともに、連携関係についても分析を深める。
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Strategy for Future Research Activity |
米国国務省が実施しているパブリック-プライベート・パートナーシップスに関係しているワシントンDCに本部を置く、東日本大震災支援プロジェクトであるTOMODACHI Projectに関係している米日カウンシルと政府との連携関係について調査を行う。 日本のパブリック・ディプロマシーに関しては、国際文化会館や国際交流基金に、日米に関する人物交流や文化交流に関して報告書調査並びに聞き取り調査を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、概ね当初の計画どおりに研究を進めることが出来、研究調査活動ならびに研究成果発表に必要な旅費、学会参加費、書籍などの物品を購入し、適切に助成金を使用した結果である。 平成26年度も、引き続き、研究調査活動ならびに研究成果発表のための旅費、書籍などの物品購入などに助成金を適切に使用する所存である。国内における研究分担者との打合せの旅費、国際交流基金や国際文化会館などの国際交流団体の聞き取り調査の旅費、7月にドイツで実施される国際NPO学会での発表のための海外旅費、米国での調査のための旅費、最終年度であるので、研究分担者と共同で報告書を刊行するための印刷代等に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)