2013 Fiscal Year Research-status Report
国勢調査詳細抽出個票データからの擬似パネルデータ構築と芸術関連産業従事者構造解析
Project/Area Number |
24530232
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Research Institution | Satistical Information Institute for Consulting and Analysis |
Principal Investigator |
周防 節雄 公益財団法人統計情報研究開発センター, その他部局等, 研究員 (90162841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古隅 弘樹 兵庫県立大学, 経済学部, 准教授 (70336824)
安井 浩子 公益財団法人統計情報研究開発センター, その他部局等, 研究員 (90443324)
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Keywords | 芸術関連従事者 / 国勢調査 / 擬似パネルデータ / 世帯類型 / 芸術文化政策 / 芸術家収入構造 / 芸術ジャンルの分布 / 芸術家の地域分布 |
Research Abstract |
本研究で使用する統計データは2種類: ①芸術家調査の個票データ, ②個票レベルの国勢調査データ(全世帯数の10%抽出) ①の芸術家調査について、これまで過去30年間に5年周期で5回実査した芸術家調査の個票データから既に編成済みのSASデータセットのデータベースの整理・クリーニングをした。更に、このデータベースから詳細な世帯類型で分類できた。 ②の国勢調査については、個票の調査情報が使用できるように、1980年、1985年、1990年、1995年、2000年、2005年、2010年に実施された国勢調査の個票情報を対象に、新統計法による「調査票情報の提供」を総務省統計局に申請するために、調査に関する情報の収集・整理を行い、申請作業に必要な情報を整理した。本年6月末をめどに利用申請を行い、7月以降に国勢調査のミクロデータを入手予定。この7回分の国勢調査(全世帯数の10%抽出)のミクロデータは、調査項目数も多いので、分析の際に使いやすいSASデータベースに構築するために、全変数の名前、ラベル、フォーマットを、ミクロデータに付随して入手する「符号表」から自動的にSASデータセット用に作成するSASプログラムを開発した。これを手作業で作成するのは大変な作業で、正確さの点からも作業の効率化を大幅にはかることができる。この符号表は、政府が提供できるミクロデータには必ず付随してくるメタデータ(また、ネット上からもダウンロード可能)なので、国勢調査以外の統計データにも適用可能なアルゴリズムであり、他のプロジェクトでも利用できる。 なお、本科研の初年度にインドネシアのSUSENAS(世帯家計支出調査)のミクロデータを使用して、世帯類型の決めつけ技法を開発したが、このアルゴリズムを日本の国勢調査データにも適用して、前例がない詳細な世帯類型で分類する予定。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①芸術家調査の整理作業: 5回分の調査データベースの整理・クリーニング作業は終了。新しい世帯類型での分類は終了した。この後の作業は、以下の②の国勢調査データからの分析結果と照合した後、必要な分析をする予定。 ②個票レベルの国勢調査データ(全世帯数の10%抽出): 新統計法による「調査票情報の提供」を総務省統計局に6月末に申請予定。データ入手直後にすぐデータベースの構築ができるように、必要な変数の、名前、ラベル、フォーマットが自動作成できるSASプログラムを既に開発済みで、6月中旬までに作成終了予定。 ③世帯類型の決めつけ技法: 既に必要な技法を開発しており、国勢調査データが入手され次第、直ぐに適応できる。
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Strategy for Future Research Activity |
国勢調査の個票情報提供の申請作業を6月に済ませ、ミクロデータの入手を計る。入手後、SASデータベースを構築する。そのデータベースを使って、日本の世帯類型を割り出し、世帯構造の分析をする。その中から芸術関連従事者のいる世帯だけを抽出して、世帯特性を分析する。更に擬似ミクロデータを編成し、時系列的にも分析する。 この作業と並行して、芸術家調査データを使っても可能な限り、同様の分析作業を行い、国勢調査データからの分析結果と比較検討する。 両者の分析結果から日本の芸術家の世帯の実態を解明して、学会報告や学術論文誌に発表して、政府や地方自治体の文化・芸術政策に提言する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者(周防)が平成13年12月始めに、転倒により右肩を負傷し、翌年の1月末に手術をして2週間入院したため、約2ヶ月半研究活動が十分に行えなかったために、研究費の執行ができない状況に陥った。分担者(古隅)は分担金5万円を旅費に執行予定していたが、執行の必要がなくなり、次年度にそっくり持ち越してまとめて執行する予定。 最終年度(3年目)は、国勢調査のミクロデータが膨大な規模なので、データの入手後、データベースを安全に格納する大容量のの外付けデータステーションとコンピュータ本体を購入する。また、学会、研究会へ出席、報告するための旅費に執行予定。
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Research Products
(8 results)