2014 Fiscal Year Annual Research Report
中国企業統治システムにおける独立取締役の役割についての調査・研究
Project/Area Number |
24530420
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Research Institution | Edogawa University |
Principal Investigator |
董 光哲 江戸川大学, 社会学部, 准教授 (50440178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 浩二 明治学院大学, 経済学部, 教授 (20152241)
金山 権 桜美林大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40296405)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 独立取締役 / 取締役、監査役 / 従業員代表取締役 / 筆頭株主 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国の上場会社の内部監査制度は「監査役会制度」と「独立取締役制度」という二重による内部監査システムを採用している。一方、中国の上場会社の株式所有構造は大株主による集中的所有であり、実際に大株主が会社を支配するケースも少なくない。このような状況では大株主が暴走したり、中小株主を含む他の利害関係者の利益に損害を与えたりすることが発生しやすいのである。中国の上場会社では独立取締役の導入が義務付けれており、制度面では独立取締役に大株主を監督・監視し、中小株主を含む他の利害関係者の利益が損害を受けないように保護することが求められている。 中国の上場会社150社における独立独立取締役の質的属性を分析すると(2011年度の各社の「年次報告書」による、以下同様)、学歴面において、大多数の独立取締役は極めて高い学歴を持っており、高度は教育を受けていることが確認された。また、職業においても、職務上の地位が高く、社会的名声と権威をもっていることも確認された。つまり、中国の上場会社の独立取締役は独立取締役として十分な質的属性を持っているといえるのである。 他方、独立取締役を取り巻く環境を取締役会、監査役会の側面から分析を行った。中国の上場会社150社の取締役会を分析すると、150社における代表取締役の72.67%が大株主化から派遣されていることが確認された。また、社内取締役の54.77%が大株主から派遣されていることも確認された。つまり、中国の上場会社における取締役会では半数以上の取締役が大株主と関連があるのである。上場会社における監査役会においても、大株主からの派遣と思われる監査役は全監査役の4割以上を占めていることが確認された。 このような分析結果から、中国の上場会社において、独立取締役が置かれている環境がその役割を制約する可能性も十分に考えられる。
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Research Products
(8 results)