2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530421
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
牛島 辰男 青山学院大学, 国際マネジメント研究科, 教授 (80365014)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 持株会社 / 多角化 / 内部資本市場 |
Research Abstract |
2012年度においては、純粋持株会社の普及と今後の統計分析のためのデータ整備を中心に行った。作業は二段階に分けて行った。最初に、東京証券取引所に上場している全企業(金融機関を除く)を対象として、持株会社への移行の有無とその時期を特定し、移行の背景を日本経済新聞をはじめとする報道資料や、会社発表資料をベースに整理した。 次のステップとして、これら移行企業の特徴と、持株会社移行による企業行動とパフォーマンスの変化の分析のため、東京証券取引所の全上場企業(金融機関を除く)について、基礎的な財務、株価情報と事業セグメントデータを、企業間での比較が可能なように整理した。特に多角化ディスカウント(事業の多角化による企業価値の低下)指標については、本研究の仮説の検証で重要な意味を持つため、代替的な複数の指標を入念に作成した。さらに、レコフのM&Aデータベースに主に基づきながら、移行企業の買収・合併やリストラクチャリング(事業売却)の実施状況について、データを整理している。2013年度においては、これらデータに基づく統計的分析に入る。 このほか、持株会社を含む大企業の組織形態とパフォーマンスに関する研究の動向を把握するため、日本経済学会(札幌、福岡)、アジアファイナンス学会(台湾)、Academy of Management(米国)の大会に参加した。日本経済学会、アジアファイナンス学会では、関連する研究の発表を行い、本研究にも活きる有益なコメントを得た。また、米国の研究者と共同で、日米欧における持株会社の普及と役割の比較研究の企画を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画時に予定していた大学院生の研究助手(アルバイト)の確保ができなかったため、データ整備を全て独力で行わなければならなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
未完のデータ整備をなるべく早期に終わらせた上で、計量分析を開始する。最初に持株会社への移行の規定要因の分析を行い、次に移行の企業行動とパフォーマンスの影響分析へと移る予定である。移行の規定要因分析は、後段の分析のインプットでもあるため、丹念に実施していきたい。 計量分析と並行して、他社との経営統合を経ずに純粋持株会社へと移行した企業、一旦移行した後に事業(持株)会社へと移行した企業への聞き取り調査を始めたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入予定であった研究書(洋書)の発売時期が延期となったために、ほぼその金額が未使用分として残った。 今年度の使用計画は前年度とほぼ同じであるが、アルバイトの確保状況により変動する。
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Research Products
(2 results)