2015 Fiscal Year Annual Research Report
東日本大震災前後の内製化・外部調達・アウトソーシングに関わる企業行動の変化
Project/Area Number |
24530427
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
佐々木 宏 立教大学, 経営学部, 教授 (80268482)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ソーシング戦略 / 中小企業 / 共分散構造分析 / 海外拠点戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、プロジェクト期間を1年延長した最終年度(4年目)に当たる。昨年度実施した1,333社に対する企業サーベイの分析が完了し、2本の論文にまとめることができた。一つ目は、「東日本大震災後における日本の中小製造業のソーシング戦略と競争力の変化-ダイナミック・ケイパビリティ論からのアプローチと定量分析-」という題名で、組織学会で報告し、これを当学会の「Transactions of the Academic Association for Organizational Science(組織学会大会論文集 Vol. 4(2015) No. 1) 」に掲載することができた。そこでは、中小企業のソーシング戦略が、組織のAC (Absorptive Capacity)を介し、どのようなメカニズムで事業成果(競争優位性)及び組織成果(ソーシング戦略によって獲得した組織能力)をもたらすかについて検証を行っている。 もう一つは、「中小企業製造業のソーシング戦略と組織成果、事業成果および財務成果の関係」という題名で、各企業の財務データを付加し、ソーシング戦略が最終的にどのような財務成果をもたらしたかについて、検証を行っている。この2本によって、本プロジェクトが当初予定していた成果にほぼ辿りついたと考えている。 なお、本プロジェクトの全期間で得られたすべての成果を要約し、さらに新たなデータ分析を加えて得られた成果を、国際学会で報告することが決定している(2016年10月予定)。さらに、上記一つ目の論文をリファインさせ、理論面の補充を行った論文を投稿済みで、現時点で査読中になっている。このように、本プロジェクト期間終了後も、引き続き本テーマについての研究を進めていることを記しておきたい。 最後になるが、科研費をいただくことができて大規模な企業サーベイを実施することができた。貴重な研究の機会をいただき、心より感謝申し上げたい。
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